華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Further On Up The Road もしくは 待つわ (1976. Eric Clapton)


むかーしミヤコ蝶々という人が自分の半生を語ってはったのをテレビで見たことがある。いつのことだったかは覚えていない。あの人をテレビで見る時にはいつも自分の半生を語ってはったような気がする。

ミヤコ蝶々という人は22歳の時に妻子ある落語家で17歳年上の三遊亭柳枝という人とフリンの恋に落ちた末、結婚するのだけど、その時、それまで柳枝と結婚していた相手である女性から、言われたのだという。

そんな男、ノシつけてあんたに差し上げます。せやけど言うときまっせ。人間、人から取ったものは必ず人に取られるもんでっせ。この言葉、よお覚えときなはれや。

そして4〜5年経って、ミヤコ蝶々さんはかつての自分と同じような駆け出しの女芸人に、本当に柳枝を取られてしまう。「あのとき、オクさんに言われたことは、ほんまでしたわ…」とテレビの向こうのミヤコ蝶々さんはしみじみ語って、それから「星の流れに」か何かを、おもむろに歌い出すのだった。

ラストワルツでエリック・クラプトンが歌っていたこの古いブルースナンバーを聞くたびに、私はその時のミヤコ蝶々さんの話を思い出す。そして世の中というものは本当にそんな風に「うまく行く」ようにできているものなのだろうかと、いつも思う。


Eric Clapton The Last Waltz - Further on up the Road -

Further On Up The Road

Further on up the road
Someone's gonna hurt you like you hurt me.
Further on up the road
Someone's gonna hurt you like you hurt me.
Further on up the road,
Baby, just you wait and see.

その道をずーっと行ったところで
おまえがおれを傷つけたように
誰かがおまえのことを傷つけるだろう
その道をずーっと行ったところで
おまえがおれを傷つけたように
誰かがおまえのことを傷つけるだろう
その道をずーっと行ったところで
ベイビー
見てるといい 待ってるといい



You gotta reap just what you sow;
That old saying is true.
You gotta reap just what you sow;
That old saying is true.
Just like you mistreat someone,
Someone's gonna mistreat you.

自分でまいた種は
自分で刈り取らなきゃいけない
昔のことわざは正しい
自分でまいた種は
自分で刈り取らなきゃいけない
昔のことわざは正しい
おまえが誰かをひどい目にあわせたら
誰かがおまえをひどい目にあわせるんだ



You been laughing, pretty baby,
Someday you're gonna be crying.
You been laughing, pretty baby,
Someday you're gonna be crying.
Further on up the road
You'll find out I wasn't lying.

笑ってやがる
かわいい顔して
いつか泣きを見ることになるんだからな
笑ってやがる
かわいい顔して
いつか泣きを見ることになるんだからな
その道をずーっと行けばおれの言ったことは
うそじゃなかったとわかるだろうよ



Further on up the road
Someone's gonna hurt you like you hurt me.
Further on up the road
Someone's gonna hurt you like you hurt me.
Further on up the road,
Baby, just you wait and see.

その道をずーっと行ったところで
おまえがおれを傷つけたように
誰かがおまえのことを傷つけるだろう
その道をずーっと行ったところで
おまえがおれを傷つけたように
誰かがおまえのことを傷つけるだろう
その道をずーっと行ったところで
ベイビー 待ってな
きっとわかる時が来るだろうぜ


戸川純 星の流れに

ではまたいずれ。