華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

2000 Light Years From Home もしくは風ぐるま (1967. The Rolling Stones)

遠くに光る あの星は
何万年も前の かがやき
今 私の胸にとびこんだんだ
私の知らない 昔のひとが
うれしくて うれしくて
今 私の胸に伝えにきたんだ

風ぐるま 風ぐるま
胸の中には 風ぐるま
まわって まわって 風ぐるま
昔も今も 風ぐるま

かすかに光る あの星は
何億年も前の かがやき
今 私の胸にとびこんだんだ
私の知らない昔のひとが
さびしくて さびしくて
今、 私の胸に話にきたんだ

風ぐるま 風ぐるま
胸の中には 風ぐるま
まわって まわって 風ぐるま
昔も今も 風ぐるま



ー「みんなのうた」より「風ぐるま」 (1984.小林幸子 )ー


The Rolling Stones, 2000 LIGHT YEARS FROM HOME, London # NPS 2

2000 Light Years From Home

Sun turnin' 'round with graceful motion
We're setting off with soft explosion
Bound for a star with fiery oceans
It's so very lonely, you're a hundred light years from home

太陽は優雅な動きで回っている。
ソフトな爆発でぼくらは打ち上げられるところ。
火の海のある星をめざして
とてもさびしいだろう。
きみはふるさとから
100光年も離れたところにいる。



Freezing red deserts turn to dark
Energy here in every part
It's so very lonely, you're six hundred light years from home

凍った紅い砂漠が暗くなる。
ここにはエネルギーがあふれている。
とてもさびしいだろう。
きみはふるさとから
600光年も離れたところにいる。



It's so very lonely, you're a thousand light years from home
It's so very lonely, you're a thousand light years from home

とてもさびしいだろう。
きみはふるさとから
1000光年も離れたところにいる。



Bell flight fourteen you now can land
Seen you on Aldebaran, safe on the green desert sand
It's so very lonely, you're two thousand light years from home

ベルフライト14、着陸を許可する。
アルデバランの上にきみが見える。
緑の砂漠の砂の上に無事に。
とてもさびしいだろう。
きみはふるさとから
2000光年も離れたところにいる。



It's so very lonely, you're two thousand light years from home
とてもさびしいだろう。
きみはふるさとから
2000光年も離れたところにいる。

=翻訳をめぐって=

  • 1960年代は、21世紀の今よりも宇宙というものがもっと身近に感じられた時代なのだろうなという気がする。アメリカのアポロ11号が初めて月面に着陸するのは、この歌が発表された2年後。21世紀の現在にそうした世界について思いをめぐらすことが非現実的であるのは、技術的な問題として非現実的だということではなく、そんなカネのかかることはどこの国家が総力をあげてもできるわけがないという意味において非現実的なのである。救いがないなあ。
  • ミック・ジャガーがこの曲の着想を得たのは、ドラッグで捕まって監獄にいた時のことだったという。何か、理解できる気はするけど、肯定したい気にはなれない。
  • こういう歌詞は細かく分析すれば不粋なことになることは分かりきっているのだけど、とりあえず主語が分かりにくいですよね。lonelyだと感じているのは一貫して I でなくYouであるということになっている。I のお前はどうなのだと突っ込みたくなるのは私が日本語話者だからなのだろうか。最初は We're setting off と言っているのだから、たぶんIとYouは2人で宇宙に旅に出たのである。従ってふるさとから2000光年離れている状況は I の側でも同じなのだと思う。
  • Energy here in every part…昔は宇宙開発といえば「地球の資源不足の解決を宇宙に求める」というイメージがあったから、ここも「天然資源がいっぱいだ」的なことを言っているのかと思って、つまらない歌詞だと思っていたけれど、何かこう火の鳥2772的な神秘のエネルギーについて語っている可能性も、宇宙のことを言っているのだから、否定できない。だとしたら「わけのわからない歌詞」である。
  • Bell flight fourteen…1950年代に開発された世界最初の垂直離着陸機で、月面着陸機はその技術を応用して完成させられたのだという。こんなものが作られたから、今では沖縄で毎日大勢の人がオスプレイのために命の危険にさらされているのだ。何が「着陸を許可する」だ。

  • Seen you on Aldebaranアルデバランは地球から60光年ぐらいしか離れていません。あと、恒星なので、緑の砂漠もありません。近づいただけで焼け死にます。だめだ。つまらない歌詞につきあっていると自分までつまらない人間になってしまう。もう、いろいろ書かないことにする。


みんなのうた 風ぐるま

…地球の反対側まで離れてしまったら、それ以上離れるためには宇宙に行くしかなかったわけだけど、いきなり2000光年は、少し離れすぎてしまったかもしれない。どうやって地球に戻ったものだろう。ではまたいずれ。