華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Ghostbusters もしくは幕間その5 (1984. Ray Parker Jr.)

Ghostbusters

If there's something strange
In your neighborhood
Who you gonna call?
Ghostbusters!

ご近所で何か
おかしなことがあったら
誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ


If there's something weird
And it don't look good
Who you gonna call?
Ghostbusters!

この世のものとも
思えないようなことがあって
どうもよくないような感じがしたら
誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ


I ain't 'fraid of no ghost
I ain't 'fraid of no ghost

おばけなんて怖くない
おばけなんて怖くない


If you're seeing things
Running through your head
Who can you call?
Ghostbusters!

何かがあなたの頭の上を
通り過ぎるのが見えたら
誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ


An invisible man
Sleepin' in your bed
Ow, who you gonna call?
Ghostbusters!

目に見えない人が
あなたのベッドに寝ていたら
ああ、誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ


I ain't 'fraid of no ghost
I ain't 'fraid of no ghost


Who you gonna call?
Ghostbusters!


If you're all alone
Pick up the phone
And call
Ghostbusters!

もしあなたが一人ぼっちなら
電話を手に取り
かけてみよう
ゴーストバスターズ


I ain't 'fraid of no ghost
Ooh, I hear it likes the girls
Hm, I ain't 'fraid of no ghost
Yeah, yeah, yeah, yeah

おばけなんて怖くない
聞くところによると
おばけは女の子が好きらしいよ
おばけなんて怖くない
やーやーやーやー


Who you gonna call?
Ghostbusters!


Mmm, if you've had a dose of a
Freaky ghost, baby
You better call
Ghostbusters!

んー怖いおばけの
特効薬がほしいならベイビー
電話するといい
ゴーストバスターズ


Lemme tell ya something
Bustin' makes me feel good!

いいことを教えてあげよう
おばけ退治は気持ちがいいよ!


I ain't 'fraid of no ghost
I ain't 'fraid of no ghost

Don't get caught alone oh, no
Ghostbusters!
When it comes through your door
Unless you just a-want some more
I think you better call
Ghostbusters!

ひとりで悩まないで
ゴーストバスターズ
そいつがドアから入って来て
もう見たくないと思ったら
電話するといい
ゴーストバスターズ


Ow! Who you gonna call?
Ghostbusters!
Who you gonna call?
Ghostbusters!
Uh, think you better call
Ghostbusters!
Ha ha, who you gonna call?
Ghostbusters!
I can't hear you


Who you gonna call?
Ghostbusters!
Louder
Ghostbusters!
Who you gonna call?
Ghostbusters!
Who can you call?
Ghostbusters!
Who you gonna call?
Ghostbusters!
Uh, it likes the girls too
Ghostbusters!

誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ
大きな声で
ゴーストバスターズ
誰に電話しますか?
ゴーストバスターズ
も、女の子が大好きらしいよ
ゴーストバスターズ


Ray Parker Jr. - Ghostbusters

今回は本当に「幕間」である。ブルース・ブラザーズの映画を大ヒットさせたエルウッドのダン・エイクロイドが、ジェイクのジョン・ベルーシと一緒に出演するつもりで脚本を書いた「次の映画」が、「ゴーストバスターズ」だったのだという。だから本当ならこの映画は、ブルース・ブラザーズの「続編」として位置づけられるはずの映画だったのだ。

当初の構想では、ベルーシとエイクロイドが「魔法の杖」を武器にして過去から未来へと自由に時間を行き来し、最後には宇宙まで舞台にしていろんなゴーストと対決するというファンタジーめいたストーリーになっていたのだそうで、タイトルも「ゴーストマスターズ」というものだったらしい。それが、1982年のベルーシの死を受けて大幅に脚本が書き換えられ、2人の旧友であるビル・マーレイを新たに主役に迎えて1984年に公開されたのが、我々の知っているあの「ゴーストバスターズ」なのだという。だとしたらあの映画はたったの1年ちょっとで「イチから」作られたことになるわけで、それはそれですごい話だと思う。

私は映画をあまり見ないので、ブルースブラザーズとゴーストバスターズのそうしたつながりについては、今回の特集を始めてみるまで何も知らなかった。知ってみるとやはりゴーストバスターズの方も見ておかなければならないような気持ちになり、20年ぶりぐらいに、見直してみた。昨年になって主人公を全員女性に入れ替えたリメイク版が公開されたらしいのだけど、それではなく、子どもの頃にテレビで見たのと同じ84年のオリジナル版である。その時の気持ちをもう一度味わいたかったから、字幕版ではなく吹替版を選んだ。

しかし、何かが違っていた。主役の、あの心理学者の、ビル・マーレイの声が違うのだ。知的でエラそーで、どこか抜けたところもあるその声は、確かに役柄によく合ってはいた。しかし子どもの頃に聞いたあの心理学者の声は、もっと無防備で子どもっぽくてそれでいて計算されつくしていて、子どもの心に心理学者という職業に対するある種のイメージまで形作ってしまうぐらいのインパクトに溢れていたはずだった。あの強烈な印象も、月日が流れてみれば「華氏65度の冬」に類するような幻想のひとつにすぎなかったということなのだろうか。

それでまた調べてみたら、DVDになっている吹替版の声優は安原義人なのだけど、私が子どもの頃にゴールデン洋画劇場で見た時の吹き替えは野田秀樹が担当していたのだということが、新たに分かった。つくづく、調べれば何でも分かる時代になったものだと思う。そこからニコニコ動画夢の遊眠社の旧作が何本か上がっているのを見つけて見始めたらこれがまた止まらなくなってしまい、私の夏は完全に収拾のつかない事態に陥っている。

ゴーストバスターズに話を戻すなら、あの映画で一番初めに退治されることになる大飯喰らいの緑色のゴーストは、ジョン・ベルーシがモデルになっているのだそうである。あのゴーストが出てくる場所も、ベルーシがドラッグの過剰摂取で命を落とした現場である高級ホテルにちなんでいるらしい。ダン・エイクロイド自身は、あのゴーストはベルーシの幽霊そのものなのだと折に触れて発言している。そして「自分は幽霊を信じる」とも、同時に強調している。



もっとも、そういうことを敢えて口に出して強調せずにいられないあたり、どこか「信じていない」ことのあらわれでもあるのだろう。私だって犬の実在を信じているけれど、それをわざわざ口に出して訴えようとは思わない。強調するまでもなく、犬の実在はあまりに当たり前な事実だからである。「信じる」という言葉を人間があえて口に出すのは、絶対どこかに「自信のなさ」を抱えている時なのだと私は思う。

だから「犬の実在を信じるように神の実在を信じている人」の言葉というものは、私みたいな人間でも、聞いてみたくなることが時々ある。でもまあ、それはいい。

もしもベルーシが生きていて、ゴーストバスターズの映画にも出演していたなら。という想像をめぐらすのはアメリカ人でも同じらしく。て言っかアメリカ人の方が余計にめぐらして当たり前なのだろうけど、調べてみたら二次創作作品と思しきこんなマンガの画像が見つかった。吹き出しの中を訳してみようかとも思ったけれど、あまりに断片的でよくわからないのでやめておく。それにつけても、全部を通して読んでみたいものだと思う。



…60年代や70年代の話なら、生まれる前のことだから何も特別な感情は起こらないのだけど、80年代のことを調べていると、それが丸ごと自分の子ども時代と重なっているからだろうか。ほんのささいなことにまで、いちいちしんみりしてしまう。

というわけで幕間はここまで。後は最後の「監獄ロック」まで、ノンストップでブルースブラザーズ特集を続けさせてもらいます。ではまたいずれ。