華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Maybe I'm Wrong もしくは たびだちのうた (1998. Blues Traveler)


Blues Traveler - Maybe I'm Wrong (Blues Brothers 2000).

John Popper: Excuse me, sir. Didn't you used to be Elwood Blues?
ジョン·ポッパー:すみません。もしかしてエルウッド·ブルースさんじゃありませんか?

Elwood: Who's asking?
エルウッド:そういうあなたは?

John Popper: I've listened to your stuff since I was a kid.
ジョン·ポッパー:ぼく、子どもの頃からブルースさんたちの曲をずっと聞いてきたんです。

Elwood: Yeah, so?
エルウッド:へえ。それで?

John Popper: My friends and I have a band. We're rehearsing nearby. It would be so cool, and mean so much to me, if you'd come listen to us play.
ジョン·ポッパー:ぼく、友だちとバンドをやってるんです。近所でリハーサルをやってるんですけど、もしエルウッドさんが見に来て一緒に演奏してくれたら、すごくクールだし、ぼくにとってもすごく意味のあることになると思うんです。

Elwood: Sure. Go get started and I'll be there in a minute.
エルウッド:かまわないよ。演奏を始めててくれ。すぐにそこに行くから。

John Popper: Great.
ジョン·ポッパー:すごいや!
…ポッパーはバンド仲間のところへ。それを見送るや自分のバンドメンバーに向かって

Elwood: Let's highball!
エルウッド:さあ、出発だ!
…highballは鉄道員スラングで「青信号」=「Go」という意味なのだそうです。

Maybe I'm Wrong

I wanna show you that anything is possible
I wanna show you that your wildest dreams can come true
And I swear some day I'm gonna figure out how to just that
But until then, I guess trying is all I can do

すべては可能なんだってことを
きみに示してあげたいと思う。
きみの一番とっぴな夢だって
かなうんだってことを
示してあげたいと思う。
どうすればそれができるのかは
いつかきっとわかる。
誓ってもいいよ。
でもその時までは
ぼくにできるのは
トライし続けることだけなんだろうな。


Maybe I'm wrong thinking you want something better
Maybe I'm wrong thinking you got no problem making it through the night
Maybe I'm wrong about every little thing I'm talking about
I said maybe I'm wrong, but just maybe, maybe I'm right

きみはきっと
もっといいものがほしいんだろうって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
一緒に夜をすごすことに
何の問題があるんだって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
ぼくの喋ってる
いろんな細かいことも
間違いだらけなのかもしれない。
かもしれないと言ったけど
それは多分であって
多分ぼくは正しいはずだとも
思ってるんだけどね。


No, it's none of my business but I think I can make you happy
But it really doesn't matter if it's me or it's someone else
All that I know is that I think that your kinda special
And one way or another gonna see that I can treat you well

本当はぼくの知ったこっちゃないんだよ。
でも自分には君を幸せにすることができると
ぼくは考えてる。
とはいえそれがぼくであろうと
他の誰かであろうと
君にとってはそれこそ関係ないことなんだよね。
ぼくに言えるのは
何て言うかきみはぼくにとって
特別な存在なんだってことだけ。
そしてぼくならきみと
正しく一緒に生きて行けるってことを
何とかして証明したいって思ってる。


Maybe I'm wrong thinking you want something better
Maybe I'm wrong thinking you got no problem making it through the night
Maybe I'm wrong about every little thing I'm talking about
I said maybe I'm wrong, but just maybe, maybe I'm right

きみはきっと
もっといいものがほしいんだろうって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
一緒に夜をすごすことに
何の問題があるんだって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
ぼくの喋ってる
いろんな細かいことも
間違いだらけなのかもしれない。
かもしれないと言ったけど
それは多分であって
多分ぼくは正しいはずだとも
思ってるんだけどね。


You seem to think that Lady Luck just doesn't like you
Well, I've been trying to belive that the Lady just ain't that dumb
Oh, just give her time to get here
And I'm sure that when she gets here
She'll be really glad to be here when she comes

幸運の女神は
あたしのことなんて好きじゃないんだと
きみは思ってるみたいだね。
ぼくは幸運の女神ってひとは
それほどdumbじゃないだろうと
思うようにしてるんだ。
彼女のことを
もうちょっと待ってみてあげようよ。
それでもしここに着いたら
きっとここに来れて良かったと
彼女は思ってくれると思うよ。


Maybe I'm wrong thinking you want something better
Maybe I'm wrong thinking you got no problem making it through the night
Maybe I'm wrong about every little thing I'm talking about
I said maybe I'm wrong, but just maybe, maybe I'm right

きみはきっと
もっといいものがほしいんだろうって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
一緒に夜をすごすことに
何の問題があるんだって
思ってるぼくは
間違ってるのかもしれない。
ぼくの喋ってる
いろんな細かいことも
間違いだらけなのかもしれない。
かもしれないと言ったけど
それは多分であって
多分ぼくは正しいはずだとも
思ってるんだけどね。


Maybe I'm wrong thinking you want something better
Maybe I'm wrong thinking you got no problem making it through the night
Maybe I'm wrong about every little thing I'm talking about
I said maybe I'm wrong, but just maybe, maybe I'm right


dumbという言葉は、「言語障害」を持った人や「知的障害者」に対する差別語です。この映画のこのシーンは大好きであり、そのことは今でも変わらないのですが、この一語があるために、私自身がこの歌を口ずさむことは、今ではありません。



「ブルースブラザーズ2000」を、改めて見直してみた。前作についてあれほどナメるようにおさらいしつくした後で見てみると、やはり味わい深かったし、いろんな発見も多かった。この続編に使われている曲についても、いずれ機会を見て翻訳してゆくことにしたいと思う。当分先のことになるだろうと、今は思ってるのだけどね。

前作から18年。映画は刑務所を出所したエルウッドが、所長からジェイクの死を知らされるシーンで始まる。バンドのドラマーだったウィリーの経営する店で働かせてもらうことになるが、前作同様に彼なりの正義感にもとづいて行動した結果、警察からロシア系マフィアから極右団体からいろんな相手を敵に回して追われる身となり、逃亡と「仕事」を兼ね、昔のバンドメンバーをかき集めて南部への旅に出発する。その直前のシーンから始まるのが、冒頭の動画である。

この映画を初めて見た時の私は、まだギリギリ少年と言える年齢だった。そしてエルウッドがブルース·トラベラーのジョン·ポッパーに対してとった仕打ちを、ずいぶん冷たいじゃないかと思った。けれども、18年の刑期を終えて出所したエルウッドの年齢より、現在のところまだ一回り若い私ではあるのだけれど、今見るとこの場面のエルウッドは、とても粋に見える。

この場面でエルウッドはジョン·ポッパーに対し、「自分の音楽をやれ」と言っているのだと思う。本当に何かをやりたいなら、憧れの誰かを模倣するだけで満足している日々からは、卒業しなければならない。同じステージに立ちたいと思うなら、対等のミュージシャンとして立ってみせろ。ということを、エルウッドは行動を通してポッパーに「教え」ようとしていたのではないかと、そんな気がする。そして一見冷酷に思えるそういう行動をエルウッドが平気でとれたのは、ポッパーが本物のミュージシャンになろうとするならいつかその意味は必ずわかるという「信頼」があって初めてできることだったのではないかという風にも、思う。この場面にはゆるやかな「世代交代」の形が描かれている。ポッパーが子どもの頃からブルースブラザーズを聞いてきたというのは、多分リアルにおいても本当のことだったのだろう。私みたいな人間も含めて全てのそうしたフォロアーに対するエルウッドからのメッセージが、あの場面には込められているのだと思う。

最後の場面で、自分と一緒に逃避行に出発することを選んだ少年に対し、後ろからいつものようにわんわんわんわんパトカーが追いかけてくる中で、エルウッドは「シートベルトをしなさい」と声をかける。そして自分もシートベルトをしめて、おもむろにスピードを上げる。それを追跡する無数のパトカーのテールランプの映像で、映画は幕を下ろす。前作では間違っても口にしなかったような台詞を敢えて最後で言ってみせた彼の姿に、撮影当時の実年齢で46歳になっていたダン・エイクロイドという人の「年の取り方」と、「後から生まれてくる世代に対する責任の取り方」というものを、すごくいいタイミングで学ばせてもらったような気が、私はした。

私も早いところ「青春に決着をつける作業」を片づけて、旅に出ないといけないな。

ハーモニカがめちゃくちゃ上手い、ブルース・トラベラーのジョー・ポッパーさんは、どことなくゴーイングアンダーグラウンド松本素生さんを思わせる外見をしている。ちょっと太った体型をした青年が全身で表現する純情というものには、洋の東西と性別の如何を問わず、ひとの心をキュンとさせる普遍的な何かが存在しているのかもしれない。


(PV) GOING UNDER GROUND - ランブル

LET'S HIGHBALLLLL !

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