華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Katie's Been Gone もしくは世界で一番美しい歌 (1975. The Band)



世界で一番美しい歌というのは、文字通り世界にひとつしかない。だからこんな言葉をタイトルに使えることは、後にも先にもこの1回しかありえない。

作詞/作曲はリチャード・マニュエルとロビー・ロバートソン。録音されたのはおそらく1967年。長らく海賊盤として出回っていて、公式発売されたのは1975年。

ホークスというバンドから「ザ・バンド」へと生まれ変わりつつあった当時のかれらが、ビッグ・ピンクの地下室で最初に作りあげた楽曲のひとつだと言われている。

2017年9月27日現在、この曲の動画を見つけることはできなかった。

Katie's Been Gone

英語原詞はこちら


Katie's been gone since the spring time;
She wrote one time'n sent her love
Katie's been gone for such a long time now.
I wonder what kind of love she's thinkin' of.

ケイティは春からいない。
一回だけ手紙に
愛をつづって届けてくれた。
ケイティが行ってしまってから
もう本当に長い時間が経つ。
彼女が口にする愛と
ぼくが思っている愛とは
ちがうものなのだろうか。


Dear Katie,
If you can hear me,
I can't wait to have ya near me.

ケイティさま。
ぼくの声が聞こえますか。
あなたなしで過ごすことが
ぼくには耐えられません。


Oh, Katie, since ya caught that bus,
Well, I just don't know how things are with us.
I'm still here and you're out there (somewhere).

ああケイティ。
きみがあのバスで行ってしまってから
2人のあいだに何が起こったのか
ぼくにはわからなくなってしまった。
ぼくはここにいるのに
きみはそこにいる。
ぼくにはわからないところに。


Katie laughed when I said I was lonely.
She said, There's no need t'feel that way.
Katie said that I was her only one,
But then I wonder why she didn't wanna stay.

ぼくがさみしいと言ったとき
ケイティは笑った。
そんな風に思う必要ないじゃないって
彼女は言った。
ケイティはぼくのことを
たったひとりの特別な人だって言ってくれた。
でもそれならどうして彼女は
ここにいたいと思わなかったのだろう。


Dear Katie, if I'm the only one,
How much longer will you be gone?
Oh, Katie, won't ya tell me straight:
How much longer do I have to wait?
I'll believe you,
But please come through.

ケイティさま。
もしぼくがあなたにとっての特別な人なら
あとどれくらい
帰ってこないつもりなんですか。
ああケイティ
ストレートに言ってほしい。
あとどれくらい
ぼくは待たなくちゃいけないのか。
きみのことを信じてる。
でも、何かを返してほしいと思います。


I know it's wrong to be apart this long
You should be here, near me.

こんな風に離れていることは
まちがっている。
きみはぼくのそばにいるべきなんです。


Katie's been gone and now her face is slowly fading from my mind.
She's gone to find some newer places,
Left the old life far behind.

ケイティは行ってしまって
彼女の顔をぼくはゆっくりと
思い出せなくなりつつある。
彼女はふるい暮らしに背を向けて
新しいところを探しに行ってしまったんだ。


Dear Katie, dont ya miss your home?
I don't see why you had to roam.
Dear Katie, since you've been away
I lose a little something every day
I need you here, but you're still out there.

ケイティさま。
ふるさとがなつかしいとは思わないんですか。
どうしてあなたがそんな風にして
さまよわなくちゃならないのか
ぼくには理解できません。
ケイティさま。
あなたがいなくなってから
毎日ぼくの中から
小さな何かが消えてゆくんです。
ぼくにはきみに
ここにいてもらわなくちゃならない。
それなのにきみは
今でもその場所にいる。


Dear Katie, please drop me a line,
just write, Love, to tell me you're fine.
Oh, Katie, if you can hear me,
I just can't wait to have you near me.
I can only think
Where are you,
What ya do, maybe there's someone new.

ケイティさま。
手紙を書いてください。
愛してるって言葉と
元気だっていう知らせだけでいいんです。
ああケイティ
もしぼくの言葉が届いているのなら
ぼくはもうそばにきみがいないことに耐えられない。
ぼくがただ思うのは
きみはどこにいるのかということ。
何をしているのだろうかということ。
おそらくそこには
新しい誰かがいるんだろうなということ。

Katie's Been Gone

Katie's Been Gone