華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

New Amsterdam もしくは今のニューヨークがオランダの植民地だった時代の呼称 (1980. Elvis Costello & The Attractions)


New Amsterdam

New Amsterdam

英語原詞はこちら


You're sending me tulips mistaken for lilies
You give me your lip after punching me silly
You turned my head till it rolled down the brain drain
If I had any sense now I wouldn't want it back again

きみはぼくに
百合と間違えて
チューリップを贈ろうとしている。
きみはぼくに
強烈なパンチをくれて
それから唇を与えてくれる。
きみはぼくの頭を
脳みそが頭脳流出を起こすぐらい
振り回してくれた。
もしぼくがまともだったら
二度とあんな思いをしたいとは
思わないだろうな。


New Amsterdam it's become much too much
Till I have the possession of everything she touches
Till I step on the brake to get out of her clutches
Till I speak double Dutch to a real double duchess

ニュー·アムステルダム
それはあまりにも
トゥー·マッチ(えげつないこと)になってゆく。
彼女がタッチする(触れる)すべてが
ぼくの持ち物になるまで。
彼女のクラッチ(掌握下)から逃れるために
ぼくがブレーキを踏むまで。
ぼくが本物のダブル·ダッチェス(二重公爵夫人)
ダブル·ダッチ(暗号めいた秘密の言葉)で話しかけるまで。


Down on the mainspring, listen to the tick tock
Clock all the faces that move in on your block
Twice shy and dog tired because you've been bitten
Everything you say now sounds like it was ghost-written

時計のゼンマイに座り込んで
チクタク言う音に耳を傾ける。
きみのブロック(区画)に入り込んでくる
すべての顔をクロック(時計/殴る)する。
Once bitten twice shy (一度噛まれた者は二度目からは用心深くなる)と言うけれど
きみは実際噛みつかれたもので
twice shy (二倍も臆病) になって
dog tired して(疲れきって)いる。
君が口にすることは今じゃすべて
幽霊が書いた言葉みたいに響く。


New Amsterdam it's become much too much
Till I have the possession of everything she touches
Till I step on the brake to get out of her clutches
Till I speak double Dutch to a real double duchess

ニュー·アムステルダム
それはあまりにも
トゥー·マッチ(えげつないこと)になってゆく。
彼女がタッチする(触れる)すべてが
ぼくの持ち物になるまで。
彼女のクラッチ(掌握下)から逃れるために
ぼくがブレーキを踏むまで。
ぼくが本物のダブル·ダッチェス(二重公爵夫人)
ダブル·ダッチ(暗号めいた秘密の言葉)で話しかけるまで。


Back in London they'll take you to heart after a little while
Though I look right at home I still feel like an exile

ロンドンに戻って少したてば
みんなはきみのことを
心から受け入れるようになるだろう。
地元じゃぼくは
まともみたいな感じに見えるけど
何だかまだ
亡命者みたいな感じがする。


Somehow I found myself down at the dockside
Thinking of the old days of Liverpool and Rotherhithe
The transparent people who live on the other side
Living a life that is almost like suicide

何はともあれ気がつけばぼくは
波止場に立っていた。
リバプールやロザーハイズで過ごした
昔の日々を思いながら。
向こう側の世界で暮らしている
透明な人々。
あんな風に人生を送るのは
ほとんど自殺みたいなもんだろう。


New Amsterdam it's become much too much
Till I have the possession of everything she touches
Till I step on the brake to get out of her clutches
Till I speak double Dutch to a real double duchess

ニュー·アムステルダム
それはあまりにも
トゥー·マッチ(えげつないこと)になってゆく。
彼女がタッチする(触れる)すべてが
ぼくの持ち物になるまで。
彼女のクラッチ(掌握下)から逃れるために
ぼくがブレーキを踏むまで。
ぼくが本物のダブル·ダッチェス(二重公爵夫人)
ダブル·ダッチ(暗号めいた秘密の言葉)で話しかけるまで。

=翻訳をめぐって=

現在のニューヨークは17世紀の前半に50年ぐらいにわたってオランダの植民地だった時期があるのだそうで、「ニューアムステルダム」はその時期の呼び名。この歌にはイギリスのローカル歌手だったコステロがメジャーになってから、ニューヨークという街で受けることになった巨大な衝撃が、いつにもまして複雑な韻を踏みまくった言葉で多彩に語られている。

歌詞の中には「チューリップ」だとか「時計」だとか港町の風景だとか、オランダを連想させるさまざまなキーワードが散りばめられており、「ghost (幽霊)」という言葉にさえ「Flying Dutchman (さまよえるオランダ人)」という有名なイメージが重ねられている感じがする。曲中の「She」は、擬人化されたニューヨークの街そのものをさしているのかもしれない。

「Double Dutch (二重のオランダ語)」は辞書では「ちんぷんかんぷん」などと訳されているが、具体的には子どもが使う暗号や秘密の言葉に類するもので、例えば全ての単語の語尾に「p」をつけて「ハローっぷ。あしたっぷはパパップとママップとロンドンップに行くんだよっぷ」みたいな喋り方をしてみせるのが、「Double Dutch」の一例として海外サイトでは紹介されていた。ただでさえイギリス人にとってチンプンカンプンなオランダ語がさらに2倍もチンプンカンプンになったような言葉という意味で、「Double Dutch」になるわけである。

「double duchess」は完全にコステロの造語だと思うが、意味は全く分からない。公爵の地位にある複数の男性と二重に結婚している女性みたいなのがイメージされているのだろうか。

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