華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Sookie Sookie もしくはトコトンで行こう (1968. Steppenwolf)


Sookie Sookie (1968)

私がこの歌を初めて聞いたのは、90年代に出されたSparks Go Goの「Easy」という洋楽カバーアルバムのバージョンを通じてのことで、それはもうカッコいいなんてものではなかった。どうしてこの人たちはたった3人でこんなにものすごい音を作り出せてしまうのか、今でも全然わからない。動画を探してみたら、あったので、貼りつけておく。21世紀に入ってからのライブバージョンなのでスパゴのみなさんがオッサン化しているのはやもうえないのだが、スゴさはきっと伝わると思う。

ちなみに私が「やむを得ない」という見出しで辞書に載っている言葉を「やもうえない」とあえて表記するのは、「そうとしか聞こえないから」である。同様に「違うの?」を意味する関西方言は「ちゃうん?」ではなくどうしても「ちゃんう?」と書きたい。他にもそういうのはいっぱいあるのだが、そのつど注釈をつけるように、これからはして行きたい。

…もともとは「ひとりよがりな生き方」を改めるために始めたブログなのに、結局どんどんひとりよがりなことに、最近なってきている気がする。でも自分のブログなので、つきあってくれる人だけつきあってくれたら、とりあえずそれでいい。


Sookie Sookie (2009. Sparks Go Go)

この歌を翻訳するにあたっての問題は、「Sookieって何やねん」というその一点に尽きている。

手近な辞書を当たってみると、「スーザン」もしくは「スザンナ」という名前の女の子の愛称であるという定義がまず出てくる。これはこれでハッキリしていて、分かりやすい。最後の「Sue」まで含めて彼女のニックネームなのだと解釈すれば、ずいぶん内容はスッキリする。「見るもムザン聞くもスーザン久美子」という言葉がそう言えば昔は流行ったものだったが、この「スーザン」という名前は「バラ」もしくは「ユリ」を意味するヘブライ語が由来になっているらしい。

さらに調べてみると「泣き虫」「弱虫」を意味する言葉であると説明している辞書も複数見つかった。ひとつは「オーストラリアで主に使われる表現」だとしており、もうひとつは「アメリカの俗語」だとしていて、どっちなのだという感じなのだが、頭には入れておくべき情報だと思う。

そして最後にこの歌について海外サイトでどんなことが言われているのかということを調べてみたところ、この歌は「Sookie」と言っていると見せかけて実は「Suck it (それをしゃぶれ)」と言っているのだと解説している人の文章が見つかった。そしてそういう風に読んでみると、確かに今まで分からなかったいろんな部分の辻褄が合ってしまうので、その瞬間からこの歌は私の中で「えろい歌」にしか聞こえなくなってしまった。

…日本の青少年がこの歌を聞いた時に心に浮かぶのは「好き好き好きすキスキスキス」というロマンティックな文字列なのだ。それをどうしてくれるのだ。ということを、ジョン·ケイのところに行って直談判してやりたい気持ちになってしまう。何なのだ。七色いんこみたいな格好しやがって。

Sookie Sookie

英語原詞はこちら


Let it hang out baby, let it hang out now, now na-na now
Let it hang out baby, everybody work out
Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sue

引っ張り出してくれよ、ベイビー。
そいつを引っ張り出してくれ
すぐにすぐにぐぐぐすぐに。
引っ張り出してくれよ。
みんな、しっかりやってるんだ。
スッキー、スッキー、弱虫スッキー
しゃぶっておくれよ
ねえスーちゃん。


Let it hang out baby, do the Baltimore jig
Let it hang out baby, boomerang with me
Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sue

引っ張り出してくれよ、ベイビー。
ボルチモア·ジグをやろう。
引っ張り出してくれよ、ベイビー。
ブーメランみたいに一緒に最初に戻ろう。
スッキー、スッキー、泣き虫スッキー
しゃぶっておくれよ
ねえスーちゃん。


Really got it bad child, drink a bottle of turpentine
When you wake up in the morning, feelin' kinda fine
Let it hang out baby, let it hang out now, now na-na now

すっかりはまっちまったよ。
しょうのない子だな。
朝起きてもし気分がいい感じだったら
テレピン油を一気飲みするといい。
引っ張り出してくれよ、ベイビー。
そいつを引っ張り出してくれ
すぐにすぐにぐぐぐすぐに。


You better watch your step girl, don't step on that banana peel
If your foot should ever hit it, you'll go up to the ceiling
Hang it in baby, hang it in baby
Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sue

足元に気をつけろよ姉ちゃん。
バナナの皮で転ぶなよ。
もしそいつに引っかかったら
天井まで脚を上げる羽目になるぞ。
スッキー、スッキー、弱虫スッキー
しゃぶっておくれよ
ねえスーちゃん。


Let it hang out baby, let it hang out now, now na-na now
Let it hang out baby, everybody work out
Hang it in baby, hang it in baby, hang it in baby
Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sookie, Sue

引っ張り出してくれよ、ベイビー。
そいつを引っ張り出してくれ
すぐにすぐにぐぐぐすぐに。
引っ張り出してくれよ。
みんな、しっかりやってるんだ。
入れた状態にしてくれベイビー
入れた状態にしてくれベイビー
入れた状態にしてくれベイビー
スッキー、スッキー、泣き虫スッキー
しゃぶっておくれよ
ねえスーちゃん。

=翻訳をめぐって=

Let it hang out baby

直訳は「それをhang out させなさいベイビー」。「hang out 」をさらに直訳すると「外側にぶら下げる」という意味になり、表に洗濯物を干す時などに使われる言い方なのだという。その上で「Sookie」が「Suck it」という意味なのだとか言われたら、この部分はもう「服の中にぶら下がっているものを外に出してくれ」という意味にしか聞こえなくなってしまうではないか。

everybody work out

辞書で「work out」を調べたら、基本的には「うまくいく」「何とか解決する」という意味らしいのだが、下の方には「〈米俗〉一発{いっぱつ}やる」という身もフタもない訳語が載っていた。その「いっぱつ」というフリガナ、必要か?という気もするのだが、英語話者が日本語の言い回しを学習するためにはまあ、必要なのだろう。しかし、それならなおさら思ってしまうのだが、その項目、必要か?

do the Baltimore jig

「ジグ」とはアイルランドのダンス曲のジャンル名で、それをアメリカのボルチモア風にしたやつを、踊ろう。という意味である。振り付けは、知らない。

drink a bottle of turpentine

「テレピン油」という言葉は、聞いたことだけはあったものの、調べたら松ヤニを蒸留して作るのだそうで、シンナーみたいな有機溶剤に近いものなのだという。世界で一番「飲めないもの」のひとつである。天ぷら油と響きが近いから、てっきり食用だと思っていた。

don't step on that banana peel

バナナですべる。脚が高く上がる。「稲中卓球部」でそんなシーンがあったが、あれはあれでとてもえろい場面だった。しかもこの場合は「Suck it」というタイトルの歌における「バナナ」かつその「皮」なのであり、もう、思春期なみにえろい連想しか浮かんでこない。

Hang it in baby

「Hang out」が「外にぶら下げる」という意味だったから、「hang in」は「中にぶら下げる」という意味以外には解釈のしようがないのである。何の中にぶら下げるのかは、書いてない。書いてなくて良かったと思う。


Like a Rolling Stone

EverybodyとことんバリバリGo。おしまい。

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