華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Something In The Way もしくは草々道の上より (1980. Nirvana)


Something In The Way

Something In The Way

英語原詞はこちら


Underneath the bridge
The tarp has sprung a leak
And the animals I've trapped
Have all become my pets
And I'm living off of grass
And the drippings from the ceiling
It's okay to eat fish
'Cause they don't have any feelings

橋の下。
防水シートからは
雨漏りがしていた。
おれがつかまえた動物たちは
みんなペットになった。
葉っぱと
天井がわりの橋げたから垂れてくる水で
おれは生きている。
魚は食べても問題ない。
あいつらには
感情がないからね。


Something in the way, mmm
Something in the way, yeah, mmm
Something in the way, mmm
Something in the way, yeah, mmm

道の上のなにか。
なにかが引っかかる。
なにかが邪魔してる。
道の上のなにか。

=翻訳をめぐって=

カート·コベインの自伝的作品と言われている曲だとのこと。上の写真はカートが一時期、実際にその下で暮らしていたという、ワシントン州アバディーン市のウィシュカー川にかかる橋。

…何か、あんまりごたごた注釈はつけたくない感じがしますよね。

でも、魚のくだりが「引っかかる」といえば引っかかる。本当に「問題ない」と思っていたならば、こんな風に歌詞にするわけはないはずだから。

海外サイトを見ると、「食べてもいいものと悪いもの」を戒律で一方的に決めつけて「命」に「優劣」をつけているキリスト教的価値観への風刺なのだとか、いろいろなことが書かれていたけれど、興味深かったのはカートが「うお座」なものだから魚に対して「愛憎半ばする感情」を抱いていたのではないかという指摘だった。ちなみに「feeling」は「感情」とも「感覚」とも訳せる言葉で、「魚にはそれがない」というのは、その解釈に従うなら「おれにもそういうのはない」というカートの自嘲が込められたフレーズなのだということになる。

でも、「だったら食べてもいいのか」というのはやっぱり「引っかかる」問題だ。

「Something in the way」というこの歌のタイトルは、直訳すると「道の上のなにか」という意味なのだけど、文字通りそんな風に「引っかかる」とか「違和感がある」とか言いたい時にも使われるフレーズなのだという。

「Nevermind」というザラついたアルバムのしめくくりとして、すごくふさわしい言葉ではあると思う。

協賛ブログ「ミチコオノ日記」とのコラボ企画として、二ヶ月がかりでお送りしてきたニルヴァーナ特集。「Nevermind」の完訳をめざして頑張ってまいりましたが、残すところはエピローグ的なもう1曲のみとなりました。今まで一度もまともに聞いたことがなかった私に、素晴らしい出会いを提供してくださった、読者の皆さんに感謝します。

ではまたもうちょっと。



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Something In the Way

Something In the Way

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  • ロック
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