華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Hitsville U.K. もしくはずっとクリスマスソングだと思っていた曲 (1980. The Clash)


Hitsville U.K.

Hitsville U.K.

英語原詞はこちら


They cried the tears, they shed the fears,
Up and down the land,
They stole guitars or used guitars
So the tape would understand,
Without even the slightest hope of a 1000 sales
Just as if, as if there was, a hitsville in U.K.,
I know the boy was all alone, til the hitsville hit U.K.

みんなが涙を叫び
みんなが不安を流した。
イギリスの至るところで
みんながギターを盗み
さもなくばギターを鳴らした。
テープはみんな知っている。
売り上げ1000本という
ささやかな望みさえなくても
まるでそこに
まるで前から
ヒッツビル·UKがあったみたいに。
ヒッツビルがイギリスを
ヒットする(うちのめす)まで
その少年はひとりぼっちだったことを
私は知っている。


(Remember)
They say true talent will allways emerge in time,
When lightening hits small wonder -
Its fast rough factory trade,
No expense accounts, or lunch discounts
Or hypeing up the charts,
The band went in, 'n knocked 'em dead, in 2 min. 59
I know the boy was all alone, til the hitsville hit U.K.
(So hit it)

(おぼえとけよ)
本当の才能というものはいつも
正しい時に登場してくるものだという。
稲妻が「スモール·ワンダー」や
「ファスト·プロダクト·ファクトリー」
そして「ラフ·トレード」を直撃するような
そんなとき。
無料配布もなければ
お昼休みの値引きもない。
チャートを飾る誇大広告もない。
本物のバンドがあらわれれば
たったの2分59秒で
そんな連中はノックアウトされる。
ヒッツビルがイギリスを
ヒットする(うちのめす)まで
その少年はひとりぼっちだったことを
私は知っている。
(だから、やっつけよう)


No slimy deals, with smarmy eels - in hitsville U.K.
Lets shake'n say, we'll operate - in hitsville U.K.
The mutants, creeps and musclemen,
Are shaking like a leaf,
It blows a hole in the radio,
When it hasnt sounded good all week,
A mike'n boom, in your living room - in hitsville U.K.
No consumer trials, or A.O.R., in hitsville U.K.,
Now the boys and girls are not alone,
Now the hitsville's hit U.K.

ぬらぬらしたウナギたちと
ベタベタした契約を結ぶようなことは
ヒッツビル·UKではありえない。
思いきりシェイクして
そして言おう。
仕切るのはおれたちだよ。
ヒッツビル·UKでは。
マスコミでもてはやされてる
新人類やネクラやムキムキマンたちは
みんな葉っぱみたいに戦々恐々としてる。いい曲を1週間かけなかっただけで
ラジオは吹っ飛ばされてしまった。
きみのリビングルームには
そしてヒッツビル·UKには
マイクと爆音がある。
ヒッツビル·UKには
市場調査もなければ
AORサウンドなどというものもない。
少年たちも少女たちも
今じゃひとりじゃない。
ヒッツビルが今こそ
イギリスをヒットするんだ。

=翻訳をめぐって=

バックにそれっぽい鐘の音みたいなのがりんごんりんごん鳴ってることから、私はこの歌をずっとクリスマスに関係した歌だと思っていて、その時期に翻訳しようと思っていたのだけど、歌詞をちゃんと読んでみると、まるっきり違う曲だった。以下はWikipedia英語版から転載した、この曲に関する記事の抜粋です。

"Hitsville U.K." is a song by The Clash and the second off their fourth album Sandinista!. A duet between lead guitarist Mick Jones and his then-girlfriend Ellen Foley, it's the 13th single release by The Clash.
「ヒッツビル·UK」はクラッシュの4枚目のアルバム「サンディニスタ!」の2曲目の収録曲である。リードギタリストのミック·ジョーンズと、彼の当時のガールフレンドだったエレン·フォーレイとのデュエットで、クラッシュの13枚目のシングル曲となった。

The lyrics refer to the emerging indie scene in British music in the late 1970s and early 1980s, which is held in contrast to the "mutants, creeps and musclemen" of the major labels with their "expense accounts" and "lunch discounts", making "AOR" and using "chart-hyping" to sell their records. References are made to a number of UK independent labels (Small Wonder, Rough Trade, Fast Product and Factory).
この曲に描かれているのは70年代後期から80年代初頭にかけてのイギリス音楽におけるインディー·シーンの勃興である。それが「新人類とネクラとムキムキマン」という言葉に象徴されるメジャーレーベルとの対比において描かれている。レコードを売るために「無料配布」をしたり「昼休みの割引セール」をしたり、「AOR(アダルト·オリエンテッド·ロック)」なるものを作り出したり、チャートを美辞麗句で飾り立てたりしていたのは、すべて当時のメジャーレーベルがやっていたことだった。この歌の中にはイギリスのインディペンデント·レーベルに対する、いくつもの言及がある。 (Small Wonder, Rough Trade, Fast Product and Factory)。

The song's title is a nod to Motown Records, which used the moniker "Hitsville U.S.A." in its advertising and to refer to the label's first headquarters in Detroit.
この歌のタイトルには、モータウン·レコードへのリスペクトが示されている。デトロイトにあったモータウンの最初の本部は「ヒッツヴィル·USA(ヒット曲を生み出す家)」と呼ばれており、その愛称は広告にも使われていた。

…"mutants, creeps and musclemen"というフレーズを辞書で一つずつ調べたら、日本でも80年代に流行し現在では完全な死語となっている「新人類·ネクラ·ムキムキマン」という言葉と完全に符合していたことが分かったのだが、いずれも蔑称じみた言い方であり、私は少しも好きでないことを付記しておく。今にして思うと私の子どもの頃というのは、世界中がものすごく冷笑的な時代だったのだと思う。冒頭の「They cried the tears, they shed the fears」という「変な歌詞」には、おそらく「漱石枕流効果」が意識されているのだろう。



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Hitsville U.K.

Hitsville U.K.

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