華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

The Days もしくは見事な夜 〜追悼アヴィーチー②〜 (2014. Avicii)


The Days

The Days

英語原詞はこちら




Under the tree where the grass don't grow
草の伸びない木の下で



We made a promise to never get old
ぼくらは永遠に色褪せることのない
約束を交わした。




You had a chance and you took it on me
きみは自分のチャンスを
ぼくにかけてくれた。




And I made a promise that I couldn't keep.
それでぼくが口にしてしまったのは
守ることのできない約束だった。




Heart ache, heart break
All over town
心の痛みと心の破れに
覆われた街。




But something flipped like a switch when you came around
でもきみがあらわれたとき
まるでスイッチを入れるみたいに
何かが切り替わった。




And I'm in pieces, pick me up and put me together
そしてぼくは
バラバラになってしまっているんだ。
ぼくのカケラを拾い集めて
元通りに戻してくれないか。




These are the days we've been waiting for
ぼくらの待っていた日々が
やってきたんだ。




On days like these who could ask for more?
こんな毎日の中で
これ以上何を望むことがあるだろう。




Keep them coming 'cause we're not done yet
こんな毎日が
毎日続いてくれるようにがんばろう。
ぼくらはまだ
何も終わらせてないんだから。




These are the days we won't regret
後になってから後悔することなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we won't forget
忘れてしまうことなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we've been waiting for
ぼくらの待っていたのは
こんな毎日だった。




Rattle the cage and slam that door
檻をガタガタ揺さぶって
扉はピシャンと閉めてやれ。




And the world is calling us but not just yet
世界がぼくらを呼んでるけど
ぼくらはまだ何も終わらせちゃいない。




These are the days we won't regret
後になってから後悔することなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we won't forget
忘れてしまうことなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




Out on the midnight the wild ones howl
真夜中の片隅で
荒ぶるやつらが遠吠えする。




The last of the lost boys have thrown in the towel
ロストボーイズたちの最後の一人が
タオルを投げて試合から降りた。




We used to believe we were stars aligned
ぼくらは並んだふたつの星だって
昔は信じていたものだった。




You made a wish and I fell out of
君が願いをかけた星
そしてぼくは
自分が流れ星になってしまったんだな。




Time flew, cut through
All over town
時間が流れて飛び去った
街の上。




You made me bleed when I look up and you're not around
空を見あげても
きみがどこにもいないことに気づくたび
ぼくは血まみれになっていた。




But I'm in pieces, pick me up and put me together
でも今は
ちょっとバラバラになってるだけなんだ。
ぼくのカケラを拾い集めて
元通りに戻してくれないか。




These are the days we've been waiting for
今この日々のために
ぼくらはたたかってきたんだ。




On days like these who could ask for more?
こんな毎日の中で
これ以上何を望むことがあるだろう。




Keep them coming 'cause we're not done yet
こんな毎日が
毎日続いてくれるようにがんばろう。
ぼくらはまだ
何も終わらせてないんだから。




These are the days we won't regret
後になってから後悔することなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we won't forget
忘れてしまうことなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we've been waiting for
ぼくらの待っていたのは
こんな毎日だった。




Neither of us knows what's in store,そこに何が待っているのかは
開けてみなくちゃわからない。




You just roll your window down and place your bets
窓を上から下にくるくるっと閉めて
きみの考えを聞かせてほしい。


>

These are the days we won't regret
後になってから後悔することなんて
ありえない毎日
それが今なんだ。




These are the days we won't forget
忘れてしまうことなんて
ありえない毎日
それが今なんだ!




And these are the days
(these are the days)
ずっと待ってた毎日なんだ。



And these are the days
(these are the days)
ずっと待ってた毎日なんだ。

=翻訳をめぐって=

出会った時には故人になっていて大変なショックを受けたアヴィーチー君というミュージシャンの追悼翻訳記事は、前回の記事を合わせて3本書くことを当初は予定していました。それが、事情があって、一本だけにすることに一旦決めたのでしたが、このかん愛読させてもらっている「絶望ノオト」のid:zetubowさんが「The Nights」の記事に「The Daysを今でも目覚ましの音に使っているのでとても悲しいです」というブックマークコメントを寄せて下さったため、それならこの曲も翻訳しておかないわけにはいかないよなと思いました。一昨日にアヴィーチー君と出会ったばかりの私ではありますが、「The Nights」と「The Days」はやはり「ふたつでひとつ」の楽曲だよなと感じます。今回の記事はイスケくんとスイートさんのおふたりに捧げることにしますので、忘れることも後悔することもない毎日を思うぞぶんぶん送って頂ければ幸いです。(「思うぞんぶん」が「正解」であることぐらい私だって分かっているのですが、「思うぞぶんぶん」の方が私は好きなのです。ぶんぶん)

zetubow.hatenablog.com

Under the tree where the grass don't grow

「草が生えない(伸びない)木の下」というのは、「時間の止まった場所や世界」を象徴しているのだと、海外サイトには書かれていました。そんな青春時代のある瞬間の風景が描かれているのだと思います。

でもこの主人公は、このあと挫折するのです。そして街で抜け殻のようなところになっていた彼氏のところへ、彼女は戻ってくるのです。

Out on the midnight the wild ones howl

この「wild ones」という言葉を具体的な日本語に置き換えるのは難しいです。「ごろつき的な人間」である可能性もありますし、「野生動物」である可能性もあります。私は「かいじゅうたち」ではないかという印象を持っているのですが、詳しくは「Wild Thing」という歌について書いたこちらの記事をご覧下さい。

The last of the lost boys have thrown in the towel

以下は丸っきり海外サイトの受け売りなのですが、「ロストボーイズ」とは「ピーターパン」に出てくる「大人になれないまま迷子になってしまった子どもたち」の呼び名なのだそうです。その中で最後まで頑張っていた一人が「タオルを投げた」=ギブアップしたということは、つまり主人公が「大人になってしまったこと」を示しているのだそうです。



...とはいえ「タオルを投げる」のはボクシングでは「セコンドの役目」ですからね。この場合「投げられた」とした方がしっくり来るのではないかと私は思うのですが、何せ原文が能動態になっているもので、勝手にいじくることはできません。「タオルを投げた」だと「自分以外の誰かを勝手にギブアップさせた」みたいな感じになっちゃうと思うんだけどな。

We used to believe we were stars aligned
You made a wish and I fell out of

...これはまた、ものすごく手の込んだ歌詞です。後半部分は直訳すれば「君は願いをかけ、僕は流れ落ちた」という感じになり、この方がシンプルでスッキリしている感じもするのですが、やや説明不足に思えたので上のような試訳になりました。

つまり彼女が「願いをかける」ということは「流れ星に向かって祈る」ということになるわけなのですが、主人公の彼氏は「自分がその流れ星になってしまった」と言っていると思うのです。つまりどういうことかと言うと、それがよく分からないのです。自分は空から落っこちてしまったけど、彼女の願いを叶えることはできた、みたいな意味なのかもしれない。でも彼女の願いが「そういう願い」だったのかという風には、私にはあんまり思えない。何にしても、手の込んだ歌詞であることは確かです。

あと、もうひとつ分からないのは、上の段では「彼女も星だった」と書かれていることです。だとしたら彼女は自分も星のくせに星に願いをかけていることになるわけで、そういうのが私には何か、不可解に思えます。しかし挫折した主人公は後段の歌詞でも空を見上げたりしてますから、主人公が流れてしまった後も彼女がしばらくの間「星をやっていた」ことは、とりあえず間違いないことであるようです。ヘンな解説になってしまいました。

Neither of us knows what's in store

直訳は「店の中に何があるかはどちらにも分からない」。試訳は意訳になっています。

You just roll your window down and place your bets

「place bet」の直訳は「賭け金を置く」ですが、それが転じて「解決策を示す」とか「見通しを述べる」とかいった意味にもなるみたいです。


アンジー 見事な夜


見事な夜 オリジナルバージョン

そのことの上で、「The Days」を初めて聞いた時に私の心の中を回り続けていたのは、この曲でした。ではまたいずれ。せっかくなので最初に予定していたもう一曲についても、翻訳しておくことにしたいと思います。


=楽曲データ=
Released: 2014.10.3.
Brandon Flowers – background vocals
Salem Al Fakir – producer, vocals (demo version only)
Tim Bergling – music, producer
Vincent Pontare – producer
Robbie Williams – vocals
Stuart Hawkes – mastering
Ash Pournouri – executive producer
Key: C

Days

Days