華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Wannabe もしくはワラビー (1996. Spice Girls) ※



はい。私と同んなじように、この歌を「ちっちゃいカンガルー」のことを歌った歌だと思ってた人。笑わないから、手を挙げてみてください。

...私だけ?

...いぢめる?

Wannabe

英語原詞はこちら


Yo, I'll tell you what I want, what I really really want.
So, tell me what you want, what you really really want.
I'll tell you what I want, what I really really want.
So, tell me what you want, what you really really want.
I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna really, really, really wanna zigazig, ah.

よお!
あたしは何がしたいのか
ほんとにほんとに何がしたいのかを
あんたに教えたげるよ。
だからあんたもどうしたいのか
ほんとにほんとにどうしたいのかを
あたしにちゃんと教えてよ。
あたし あたし あたし あたしは
ほんとにほんとにほんとに
じがじぐしたい。
あー!


If you want my future forget my past.
If you wanna get with me better make it fast.
Now don't go wasting my precious time.
Get your act together, we could be just fine.

あたしの未来がほしいなら
あたしの過去は忘れてね。
あたしにもっと近づきたいなら
とにかくさっさとやってよね。
あたしの大事な時間を
ムダにしたりとかしないでね。
あたしに合わせてくれたなら
きっとうまく行くと思うよ。


I'll tell you what I want, what I really really want.
So, tell me what you want, what you really really want.
I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna really, really, really wanna zigazig, ah.

あたしは何がしたいのか
ほんとにほんとに何がしたいのかを
あんたに教えたげるよ。
だからあんたもどうしたいのか
ほんとにほんとにどうしたいのかを
あたしにちゃんと教えてよ。
あたし あたし あたし あたしは
ほんとにほんとにほんとに
じがじぐしたい。
あー!


If you wanna be my lover
You gotta get with my friends
(gotta get with my friends).
Make it last forever,
Friendship never ends.
If you wanna be my lover
You have got to give.
Taking is too easy, but that's the way it is.

あたしの恋人になりたいなら
あたしの友だちとも仲良くなってよね。
ちゃんと最後までつきあってよね。
友情ってのは終わらないんだから。
あたしの恋人になりたいなら
与えることを惜しまないこと。
持って行く方がそりゃ簡単だけど
それが現実ってもんなんだからね。


What do you think about that? Now you know how I feel.
Say you can handle my love. Are you for real
(are you for real)?
I won't be hasty, I'll give you a try.
If you really bug me then I'll say goodbye.

あんたはどう思う?
あたしの気持ち、わかる?
あたしの愛をちゃんと扱える?
まじでそう言える?
まあ、あたしはあせらない。
試しにつきあってみてもいいよ。
あんたがあたしをイライラさせたら
じゃあねって言うだけだからね。


Yo, I'll tell you what I want, what I really really want.
So, tell me what you want, what you really really want.
I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna—, I wanna really, really, really wanna zigazig, ah.

あたしは何がしたいのか
ほんとにほんとに何がしたいのかを
あんたに教えたげるよ。
だからあんたもどうしたいのか
ほんとにほんとにどうしたいのかを
あたしにちゃんと教えてよ。
あたし あたし あたし あたしは
ほんとにほんとにほんとに
じがじぐしたい。
あー!


If you wanna be my lover
You gotta get with my friends
(gotta get with my friends).
Make it last forever,
Friendship never ends.
If you wanna be my lover
You have got to give.
(You got to give.)
Taking is too easy, but that's the way it is.

あたしの恋人になりたいなら
あたしの友だちとも仲良くなってよね。
ちゃんと最後までつきあってよね。
友情ってのは終わらないんだから。
あたしの恋人になりたいなら
与えることを惜しまないこと。
持って行く方がそりゃ簡単だけど
それが現実ってもんなんだからね。


So here's a story from A to Z.
You wanna get with me?
You gotta listen carefully.
We got Em in the place
Who likes it in your face.
We got G like MC
Who likes it on an—
Easy V doesn't come for free.
She's a real lady.
And as for me?
Ha-ha! You'll see.

じゃあ
一から十まで教えてあげる。
あたしと仲良くなりたい?
ならちゃんと聞いてよね。
エマって子がいるんだけど
この子はけっこう押しが強いのよね。
ジンジャーはメルシーみたいに
onの状態になってるのが好きなのよね。
イージー·ヴィクトリアは
そんなにイージーじゃないからね。
まじでお嬢様だから。
あたし?ははは。
見てわかんない?


Slam your body down and wind it all around.
Slam your body down and wind it all around.

体をピシャッとやって
くねくねくねってしてみよう。
体をピシャッとやって
くねくねくねってしてみよう。


If you wanna be my lover
You gotta get with my friends
(gotta get with my friends).
Make it last forever,
Friendship never ends.
If you wanna be my lover
You have got to give.
(You got to give.)
Taking is too easy, but that's the way it is.

あたしの恋人になりたいなら
あたしの友だちとも仲良くなってよね。
ちゃんと最後までつきあってよね。
友情ってのは終わらないんだから。
あたしの恋人になりたいなら
与えることを惜しまないこと。
持って行く方がそりゃ簡単だけど
それが現実ってもんなんだからね。


If you wanna be my lover
You gotta—, you gotta—, you gotta—, you gotta—,
You gotta slam, slam, slam, slam.
Make it last forever.

あたしの恋人になりたいなら
ちゃんと ちゃんと ちゃんと ちゃんと
ピシャーンピシャーンピシャーンとやって
最後までつきあってよね。


Slam your body down and wind it all around.
Slam your body down and wind it all around.

体をピシャッとやって
くねくねくねってしてみよう。
体をピシャッとやって
くねくねくねってしてみよう。


Slam your body down and wind it all around.
Slam your body down and zigazig, ah.

体をピシャッとやって
くねくねくねってしてみよう。
体をピシャッとやって
じがじぐ。あー!


If you wanna be my lover.
あたしの恋人になりたいなら。


Wannabe

今回の選曲は、前回が「セックス、ドラッグ、ロックンロール」だったことから連想が働き、忌野清志郎のステージでの定番フレーズだった「キモちE」「うれC」「わらB」という3つの言葉を思い出したことがキッカケになっている。

「キモちE」「うれC」は分かるのだけど、「わらB」は正確には何を意味していたのだろう。私にとって長年の謎なのだ。若草山に生えてるあの山菜のことなのだろうか。それとも埼玉県蕨市のことなのだろうか。はたまたオーストラリアに住んでるちっちゃいカンガルーの名前なのだろうか。ちなみに「ちっちゃいカンガルー」が現地で「ワラビー」と呼ばれており、「中ぐらいのカンガルー」が間をとって「ワラルー」と呼ばれていることを、子どもの頃の私は「わくわく動物ランド」で知って、それ以来ずっとワラビーファンだったのだ。私は、ちっちゃい男の子だったからね。

さらにちなむなら、「カンガルー」が現地の言葉で「あなたの言ってることが分かりません」という意味だというのをイギリス人が勘違いして動物の名前にしてしまったという、あのジャポニカ学習帳の裏表紙に載っていた有名なエピソードは、完全な作り話らしい。「カンガルー」を「カンガルー」と名づけたのは飽くまで先住民の人たちであり、それには元々「跳ぶもの」という意味が込められていたそうである。白人たちの自作自演の「笑い話」を我々は聞かされて育ったことになるわけだけど、こういうのって本当に、先住民の人たちをナメてるし、差別の上に作られた「笑い話」の典型的な例だと思う。

そういえば昔、「ワラビー」という歌が流行ったことがあったっけ。「わらわらわらわらびりびりぼん」という巧みな擬音表現で、すばしっこく跳び回るワラビーの姿が愛らしく活写された歌だったな。もちろん歌詞の意味なんて何も分からなかったけど、私の頭の中にはずっとそういう映像が流れていたから、多分、そういう歌だったのだろうと思う。そういえばあの頃まだ小学生だった弟が、あの歌をえらく気に入っていて、何かといっては歌いながら飛び跳ねてたもんだったよな。うるさくて怒鳴ったこともあったけど、悪いことしたよな。わらわらわらわらびりびりぼん。

そんな風に思いながら調べてみて、今さっきの話である。初めて気づかされたのだった。「あの歌」は「ワビー」ではなく「ワビー」という歌だったのだ。

...本当に、私、22年間も、何を考えて生きてきたのだろう。



...発声学的には、Lの音とNの音って、すごく「仲のいい音」なんだよね。ハングル文字でNの音は「ㄴ」、Lの音は「ㄹ」で示されるんだけど、あれは「ㄹ」って音の中には「ㄴ」の音が「含まれてる」ってことを示してるんだよね。だから「コ」の下に「ㄴ」を書いて「ㄹ」になるわけだね。実際、朝鮮語ではNとLの境目が結構あいまいなことになってて、例えば「辛ラーメン」は「シン ナミョン」って言ったりするんだよね。逆に「新羅」はフツーに読んだら「シンラ」だけど、実際には「シルラ」って発音するんだよね。「JINRO」も「ジルロ」。「流音化」って呼ばれてるよね。

だから「ワラ」と「ワナ」の境目が溶けちゃうこともボク的には割かしフツーのことかなって思ってたりするんだけど、「ワラ」って言えばさーあ?最近の若い人が何かと言えば文章の終わりに「笑笑」って書くの、あれ、むかつかない?「わらわら」といえば基本的には「自分に敵対的なものが連続的に出現するさまの擬態表現」だと思うんだけど、最近ではその笑笑をさらに省略して「www」って書くんだってね。その文字の形状から「笑う」ことを「草生える」と言い換えたりする言い方も生まれてたりしてるらしいんだけど、だったら「草生やす」の方がよくなくない?ボク、外国人の友だちも何人かいるんだけど、こないだ日本語を勉強してる人から「その案件は草不可避ですね」みたいなメールが来て、意味が分かんなくて困っちゃったよ笑笑藁藁ww草草





...ふ。滑稽だな。俺。

「ワナビー」を「ワラビー」だと思ってた男がコトバについて語ってやがるぜ。しかも空想上の東京弁で。

何か、私、ちょっとだけブログを畳んで旅にでも出たいような心境におちいってしまったのでしたが、このショックから立ち直るためにも、改めて気持ちを切り替えて、歌詞の内容の検証に移って行きたいと思います。

=翻訳をめぐって=

Wannabe

「want to be」が省略された形で「wanna be」になる。中学生の頃にビートルズ/ストーンズの「I wanna be your man」の意味が知りたかった時、自分の持っていた辞書にはこの「wanna」が載っていなかったのでえらく苦労したことを覚えている。それで図書館まで行って「want to be」だというところまでは分かったのだけど、今度は「to be」が分からなくて苦しんだ。このブログ、そういう中学生にも納得してもらえるようなブログにしようといつも思ってるのだけど、納得してもらえてるのだろうか。こないだ、以前の記事に初めて高校生から翻訳に関する疑問のコメントが寄せられて、私はかなりドギマギした。

「ワナビー」には主語も補語もないのだけれど、それだけを直訳したら「なりたいな」みたいな意味になるのだと思う。「なりたいな/なれるかな/なりたいけれど/足りないな/年も力も足りないな/でも今なりたい」という昔のNHK教育の番組の主題歌がさっきから頭の中を回っているのだけど、番組名を思い出せない。こういう時の私は意地でも検索はしない。

なお、最近の英語ではこの「ワナビー」が、「何かに憧れ、それになりたがっている者のこと。上辺だけ対象になりきり本質を捉えていない者として、しばしば嘲笑的あるいは侮蔑的なニュアンスで使われる」とWikipediaにはある。おそらくこの歌が流行った時代以降に生まれた使われ方なのだと思う。

I'll tell you what I want, what I really really want.

...この歌い出しが昔は「わらわらわらわらびりびりぼん」と聞こえていたわけなのだけど、全然ちがうよな。「あてりゅわらをん、わらりりりりをん」と歌え。と20年前の弟には言ってやりたい。あかんか。それでも怒鳴るのとあんまり変わらないか。

I wanna really, really, really wanna zigazig, ah.

この「zigazig」という謎の単語が、他の大体の和訳サイトでは「えろい行為を表す隠語」であると解釈されており、だったらどういう日本語に移せばいいのだろうといろいろ考えてみたのだけれど、いくら考えても「ちょめちょめ」という言葉しか思いつかないことに、絶望したいような気持ちになった。何十年前の言葉だというのだろう。ひょっとしたら百年単位の大昔にまで遡れる言い方かもしれない。そのあいだ、日本のそういう領域の文化や風俗には何の進歩も発展もなかったのだろうか。何やってるんだ。日本文化。

しかしながら海外サイトに当たってみると、「zigazig」という言葉に込められているのは、必ずしもえろい意味だけではないらしい。例えば一緒に笑いたいとか、ステキな映画を見に行きたいとか、そういう「恋人とやってみたいことの全部」が、言っても言っても言い尽くせないもので「zigazig」という言い方で省略されているのだという。これは当時のスパイスガールズのファンクラブのニュースレターに書かれていたことなので、それが「公式見解」ということになっているらしい。

してみると、何てロマンチックな「いい言葉」だったのだろうという感じがしてこないだろうか。それをえろい意味でしか解釈できないような人間は、まあ英語圏にも少なくないみたいではあるけれど、要するに心が貧しいのである。て言っかえろいのである。反省してほしいと思う。

...書きながら、そういえばむかし田中康夫が「ペログリ」という言葉を使っていたことも思い出したりしたのだが、やはり問題外だと思う。て言っか響きが邪悪である。却下。ここはもう「じがじぐ」のままでいい。

If you wanna get with me better

「get with」で「(人と)近づきになる」という意味になるらしい。最初は「私とうまくやって行きたいなら」と訳したのだが、訳しすぎな感じがしたので、「私にもっと近づきたいなら」に改めた。

Get your act together

「act together」で「行動を共にする」だけど、「your act」と言っている以上は、「あなたが私に合わせなさい」と言っているのだと思う。主導権はあくまで彼女の側にあるということが、この歌ではおそらく「一番大切なこと」なのだ。

If you wanna be my lover
You gotta get with my friends
Make it last forever,
Friendship never ends.

「Make it last forever」の直訳は「それを永遠に続くようにしてください」。「それ」が何なのかということが歌われておらず、私は最初「恋人としての関係」を終わらせないでほしいということを言っているのだろうかと思った。しかしよく読んでみると、ここでは「私の友だちとの関係」を終わらせないでほしいということが歌われているらしい。

「シスターフッド」という言葉を聞いたことがある。「女性同士の友情」や「愛情」、「信頼関係」を意味する言葉で、総じて「女性が力を合わせること」の重要性を言い表すために使われている。

いわゆる「文明世界」のあらゆる場所で、「女性同士のつながり」は、社会によって、と言うより男によって、歴史的にズタズタに引き裂かれてきた。男性は女性に対し、常に「自分の言うことだけに従うこと」を、強要し続けてきた。だから女性が力を合わせてそうした男性の支配に反抗することは、事実上不可能になるような形で今までの社会は形作られてきたし、「男社会の論理によって引き起こされること」、例えば戦争や植民地支配といったことに対しても、女性は反対できる手段を奪われてきた。そうした歴史を変えてゆくために、まずは女性たちが「力を合わせる」ことから始めて行こうということで、フェミニズム運動の「合言葉」になったのが「シスターフッド」という言葉だった。と私は聞いているし、そのように理解している。

だがこの「シスターフッド」というのは、決して「女性のためにだけある言葉」ではない。というのも私の理解である。

例えば、今の社会には、本当の意味で「対等」な「男同士の関係」というものは、どこにも存在していない。そこには絶対「序列」や力関係、競争関係が介在している。それが「男性の手で作られてきた社会」の「ルール」だからである。このことは男性である私自身、身につまされて実感している。ジャンプでも何でも読んでみてほしい。主人公の「仲間」になる男は必ず初め「ライバル」として登場し、主人公に「負ける」ことを通して初めて「仲間」になることを受け入れるわけだ。その後でどんなに和気あいあいとした「友情」が展開されようとも、それは飽くまで「力によって決まった関係」であるにすぎず、そのバランスが崩れたらいつでも「力関係が決まり直す」まで殺し合いや潰し合いが止まらなくなるのが「男社会のルール」なのである。その意味では前回の二丁目の話だって、同じなんだよな。だからああいう風にして形成された人間集団というのは、いつでもファシスト集団に転化してゆく必然性みたいなものを内包しているし、それが「力」を持てば持つほど、最終的には「人類の敵」みたいなものにまで、なってゆかざるをえないものだと私は思う。

「男性と女性の関係」が「対等」なものでありえたためしがないということも、これはほとんど、自明なことだ。男性である私が女性の皆さんに成り代わってあんなこともあるこんなこともあるとか言うのはふざけた話だし、そもそも私には「あんなこともしてきたこんなこともしてきた」という言い方で言わねばならないことがいっぱいあるのだが、それはまずその相手に言わねばならないことなのであって、ブログに書くようなことではないと思っている。とにかく、女性の側からの「対等であろうとする努力」はいつも男の側から潰されてきたのである。このことは、間違いない。

だとしたら、今の人間社会にあって、本当に「対等な人間関係」と呼びうるものは、「女性同士のつながり」以外の場所には、どこにも存在しないことになる。「女性同士のあいだにもそんな関係は実在しない」という絶望の叫びも、他の人のブログとか読んでるとよく目にするが、少なくとも「シスターフッド」という言葉の中にはその可能性と希望とが存在しているのである。「ブラザーフッド」だと、そうは行かないのだ。「どっちが兄貴か」ということが必ず問題になってしまうから。

従って、今の地球上に生きる我々が、戦争や差別の存在しない、全ての人間が対等な社会を本気で築いて行こうとするならば、その「シスターフッド」を「見本」にして新しい社会を建設する以外にないわけなのである。男性は男性でやはり「シスターフッド」を「見本」にすることで、自分たち自身のあり方を変革してゆかねばならない。「シスターフッド」というのが「女性のためにだけある言葉」ではないということは、そういうことを意味しているのだと、私自身は受け止めている。

この「Wannabe」という歌は、「あなたと恋人になってもいいけれど、私たちのシスターフッドを壊そうとしたら承知しないよ」という、女性から男性に向けられた最初の(←「売れた曲としては」ということだと思うが)メッセージソングなのだということが、海外サイトでは強調されていた。そしてそれが世界中の女性たちの間で爆発的な共感を生んだという事実が、90年代という時代がどんな時代であったかを象徴しているとも書かれていた。単なる「アイドルの歌」では、なかったのだな。何だか、すごく勉強させられたような気がする。

私の知り合いのブロガーさん達の中には「プリキュア」が好きな人がすごく多いのだけど、今回の翻訳を通じて、私もいっぺん見といた方がいいのかもしれないという気持ちになった。なったのだけどあのシリーズはものすごくいっぱいあるみたいで、どこから見たらいいのか分からない。誰か、いいアドバイスがあれば、教えてください。

So here's a story from A to Z.

直訳は「ここにAからZまでの物語があります」。以下はこのパートを担当しているスキャーリー·スパイスことメラニー·ブラウンさんによる、スパイスガールズの「メンバー紹介」みたいな歌詞になっている。けっこう大変なのだけど、一応きちんと再現しておこうと思う。



「Em likes it in your face」=「エムは押しが強い」という言葉で紹介されているのは、ベイビー·スパイスことエマ·バントンさん。





「We got G like MC Who likes it on」...「G」はジンジャー·スパイスことジェリ·ハリウェルさん(上)。「MC」はスポーティ·スパイスことメラニー·チズムさんで愛称が「メルシー」(下)。「likes it on」=「onの状態になってるのが好き」という歌詞の意味は、よく分からない。「スイッチが入ってる状態が好き」=「ピシッとしてるのが好き」という意味かもしれないし、「ピタッとくっついてる状態が好き」みたいな意味なのかもしれない。何か、えろい意味で解釈している海外サイトの記事もあったが、ほとんどセクハラみたいな内容だったので、紹介はしない。



「Easy V doesn't come for free」という言葉で紹介されているのは、ポッシュ·スパイスことヴィクトリア·ベッカムさん。サッカー選手のベッカムと結婚した人である。「easy」には「チョロい」という意味があるけれど、「doesn't come for free」は「タダでは来ない」という意味なので、アダ名はチョロくてもチョロくないのだという意味なのだと思う。



最後に「And as for me?」=「で、私?」と言っているのが、メラニーさん。「メルシー」に対抗して「メルビー」と呼ばれていたらしい。何か、「紹介」してしまったけど、私は今まで一人も知らなかった。

Slam your body down and wind it all around.

これは「振り付け」の説明なのだろうけど、「Slam」は普通「ドアをピシャンと閉める時」にしか使わない言葉らしいので、bodyをslamするのが具体的にはどういうことになるのか、私にはあんまりイメージが湧かない。まあ、ピシャーンとやってクネクネっとする、という感じで、間違いにはならないと思う。

...私はこの歌のことを、ナメていたな。こんなに長い翻訳記事になるとは、全然思っていなかった。





ところで。



この歌のPVを私は今回初めてまともに見たのだけれど、ビデオの中でスパイスガールズの人たちは、上流階級の人間たちの社交場になっているとおぼしき高級ホテルに乱入して、やりたい放題の大騒ぎを繰り広げている。それはそれでいい。私だって、やってみたい。

だが、一回目に見た時には気づかなかったのだが、冒頭の部分。その高級ホテルの入口で、毛布にくるまって野宿しているらしいおじいさんが出てくる。はしゃぎながら登場したスパイスガールズのメンバー達はまずそのおじいさんにちょっかいを出し、そのうちの一人はあろうことか、おじいさんから緑色の帽子を奪い取っている。

ビデオの最後でメンバー達は再びホテルから出てくるので、せめてあの帽子はおじいさんに返すんだろうなと思って、私はずっと見ていた。ところが彼女らは、停まっていたバスに真っ直ぐ飛び乗って、そのまま手を振りながら走り去ってしまった。

なんてやつらなのだ。

何か、私、いっぺんにこの人たちのことが大嫌いになってしまった。人間にさえ、見えなくなってしまった。この歌の内容には何ら批判すべき点はないと思うけど、今回の記事は「好きな曲ではありません」の「」マークをつけて公開するしかないように思う。

最初はワラビーの歌だと勘違いしていて、内容を読んでみたらすごい歌だったんだと感心して、最後に動画を見たらガッカリして終わりかよ。

忙しい一日だったな。

ではまたいずれ。

後味わるっ。



=後日付記=

その後、「帽子の行き先」について、読者の方から指摘を受けました。それについてのやりとりは、コメント欄をご覧ください。


=楽曲データ=
Released: 1996.7.8.
Key: F#

Spice

Spice