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Peter's Denial
Peter's Denial
ペテロの否認
英語原詞はこちら
[Maid by the fire:]
I think I've seen you somewhere.
I remember.
You were with that man they took away.
I recognize your face.
[火に当たっていた女性]
あたし、あんたのこと
どっかで見たような気がするな。
おぼえてるよ。
あんた、連中が連れて行った
あの人と一緒にいたでしょ。
その顔、おぼえてるよ。
[Peter:]
You've got the wrong man lady.
I don't know him,
And I wasn't where he was tonight
Never near the place.
[ペテロ]
それは別の人でしょうお姉さん。
私はあの人のことは知りません。
それに私は
ゆうべあの人がいたその場所の近くには
いませんでした。
[Soldier:]
That's strange, for I am sure I saw you with with him.
You were right by his side, and yet you denied.
[兵士]
それは変だな。
私はお前があの男と一緒にいるのを
確かに見たぞ。
お前はあの男に
ぴったりくっついていたじゃないか。
それでも知らないと言うのか。
[Peter:]
I tell you I was never with him.
[ペテロ]
あの人と一緒にいたことは
ないって言ってるでしょう。
[Old Man:]
But I saw you too.
He looked just like you.
[老人]
だが私もあんたを見たぞ。
あんたにそっくりの男だったぞ。
[Peter:]
I don't know him!
[ペテロ]
私はあんな人のことは知らない!
[Mary Magdalene:]
Peter, don't you know what you have said?
You've gone and cut him dead.
[マグダラのマリア]
ペテロあなた
自分が何を言ったかわからないの?
あなた、やっちゃったのよ。
あの人のことを知らないと言って
見捨ててしまったのよ。
[Peter:]
I had to do it, don't you see?
Or else they'd go for me.
[ペテロ]
そうしなきゃいけなかったんだ。
わからないか?
さもなきゃおれが
襲われることになるだろう。
[Mary Magdalene:]
It's what he told us you would do.
I wonder how he knew.
[マグダラのマリア]
あの人が
あなたはそうするだろうって
言っていた通りになってしまった。
あの人には一体
どうしてそれがわかったんだろう。
Jesus Christ Superstar 1973. 今回は1:08:25〜1:10:05
=翻訳をめぐって=
- 聖書の記述ではこの後ペテロは我にかえり、自分のやってしまったことの罪深さに気づいて涙することになっているのだけれど、この映画ではマグダラのマリアからそれを指摘されても、ペテロは自分を正当化して居直っている。この点、ユダが罪の意識に身悶えているように描かれているのとは対照的である。ペテロの「名誉」のために書いておくなら、後年ローマで殉教することになった際、彼は師匠のことを裏切った自分が同じ死に方をするのは申し訳ないからということで、自ら申し出て逆さ磔にされたということが伝わっている。
- You've gone and cut him dead
- 「cut〜dead」で「〜のことを知らないふりをする」「シカトする」「社会的に存在しないものとして取り扱う」といった意味の熟語になるのだとのこと。