華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

I Can See Clearly Now もしくは明石クリニックなら善光寺 (1972. Johnny Nash)


I Can See Clearly Now (Jimmy Cliff)

I Can See Clearly Now

英語原詞はこちら


I can see clearly now the rain is gone
I can see all obstacles in my way
Gone are the dark clouds that had me blind
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day

今ならくっきりと見える。
雨は上がったんだ。
自分の前に
何が立ちふさがっていたのかも
今ならはっきりと見える。
目の前をさえぎっていた暗い雲は
消えていった。
もうすぐ明るくなる。
明るい太陽の
降り注ぐ一日が始まる。


Oh, yes I can make it now the pain is gone
All of the bad feelings have disappeared
Here is that rainbow I've been praying for
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day

そうだ今なら何だってできる。
苦しみは去ったんだ。
いやな気持ちも全部
消えていった。
ずっと待ち焦がれていた
虹が出てきたよ。
もうすぐ明るくなる。
明るい太陽の
降り注ぐ一日が始まるんだ。


Look all around, there's nothing but blue skies
Look straight ahead, there's nothing but blue skies

見渡してごらん。
周りは一面の青い空だ。
まっすぐ前を向いてごらん。
見えるのは青い青い空だけだ。


I can see clearly now the rain is gone
I can see all obstacles in my way
Here is that rainbow I've been praying for
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day
Bright (bright), bright (bright)
Bright sunshiny day
It's going to be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day
It's gonna be a bright (bright)
Bright (bright) sunshiny day



「blind」は「視覚障害者」に対する差別的表現です。ここでは原文をそのまま転載しました。


I Can See Clearly Now (Johnny Nash)

私がこの歌を初めて聞いたのは、他のいろんな人と同じように、ディズニーが1993年に作った映画「クール·ランニング」のエンディング曲に使われていた、ジミー·クリフのバージョンを通じてだった。「明石クリニックなら善光寺」というのは、当時ビデオテープがスリ切れるくらいその映画を見ていた弟が、勝手にくっつけてデタラメに歌っていた歌詞である。あんまりしょっちゅう耳にしていたものだから、長野県善光寺市には明石クリニックという個人経営の小さな病院があるのだろうなというイメージが、いまだに染みついてしまっていたりする。Dr.スランプでセンベさんがミドリ先生の下着を目撃した時に叫んだ「我が青春に悔いなし」という吹き出しのセリフを、かたくなに「わがあおばるにうめいなし」と読み続けていたそんな弟だった。

その次の歌詞は「明石大ー橋やーでー」と続いていたのだったと思う。確かちょうどあの頃は、建設中だった。他の人には全くどうでもいい話なのは分かっているが、一応このブログのテーマは「自分の青春に決着をつけること」なので、歌にまつわる記憶については意地でもひとつひとつ拾い上げておきたい。

あまりにも明鏡止水な印象を与える言葉が歌詞に並んでいることから、この歌は「自殺者の心境を歌った歌」であるという解釈が、英語圏では相当広範に流布されているらしい。いつも参考にしている「Songfacts」という海外サイトの記事では、「そうじゃなくてフツーに希望を歌った歌なんですよ」という但し書きが一番最初に書かれていた。

原曲を歌っていたのは、ボブ·マーリーとウェイラーズを自分のバックバンドに抜擢して世界に紹介する役割を果たしたことで知られる、ジョニー·ナッシュというテキサス出身のアーティスト。この曲はレゲエの影響を受けた史上最初のヒット曲としても知られているが、ご本人が歌っている動画を見るとやっぱり最初は「アメリカの歌」だったのだなという感じがする。音を引っ張る時にマイクを徐々に離してゆく仕草にショービジネスを感じるなあ。それを口元に戻す時に前歯にぶつけてしまってうずくまるギャグを昔よく水玉れっぷう隊がやってたなあ。あの人たちもって言うかあんな人たちでもって言うか、当時の私たちにとっては「郷土の星」だった。

「翻訳をめぐって」は今回は別に、要らないかな。

ではまたいずれ。



=楽曲データ=
Originaly Released By Johnny Nash in 1972.6.23.
Jimmy Cliff Version: 1993.10.1.
Key: D