華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

Even the Nights are Better もしくはさよならロンリー·ラブ (1982. Air Supply)



前回触れた エア·サプライが好きな人と最初に言葉を交わしたきっかけが、その人が機械で釘を打ちながらこの歌のメロディを口ずさんでいたことだった。

「知ってる曲だ」とうれしくなって、一緒に「Strummin' my pain with his finger... 」と歌い始めたら、違う曲だった。

でも、笑ってもらえた。この曲が「やさしく歌って」と似ていることは、やっぱり「その人も感じていたこと」だったのだ。

ダメもとで「Once in your life you find her...」という歌詞も試してみたのだったけれど、この曲の方はその人は知らなかった。けれども「そんな歌もあったのか」ということを片言の英語で言い合えるぐらいの会話にまでは、持って行くことができた。それで、その人と私は、仲良くなった。

ちなみに時系列で言うなら、ロバータ·フラックの1973年のヒット曲を「ニューヨークシティ·セレナーデ」が1981年にパクって、それをまたエア·サプライの人たちが翌82年にぺチった、という順番になっているのだと思う。もっとも後発の二組のほうは、パクったとかペチったとかいう意識は全く持っていなかったりするのかもしれないけれど。

私だって中学生の時、夢の中で「とんでもない名曲」を思いつき、翌日学校の音楽室のピアノでドキドキしながら実際に音を鳴らしてみたら、そのメロディがまんまGAOの「サヨナラ」になっていることを級友に指摘されたりしたことがあるのだが、あの時指摘してきたやつさえいなければ、私は今でもあのメロディを最初に考えたのは自分だと、信じ続けていることができていたはずなのである。

まあ、そういう信じ続け方は間違っていると今では思うので、私も指摘するのだけどね。

この曲の邦題は「さよならロンリー·ラブ」だったのだという。これまたいかにも「きまぐれオレンジロード」に出てきそうなフレーズである。実際に出てきているかもしれない。読み直してみる。

…そして気がついたら「めぞん一刻」を読み返していたりする。この二作品が頭の中でしょっちゅうゴッチャになるのは、私にだけ特有な現象なのだろうか。それとも同世代の人には割りかし誰でも起こりがちなことなのだろうか。

ともあれ、この曲に関しても、ちゃんと覚えて歌えるようにならなければならない理由が、私の中には生まれてしまった。オトナになってからもそういう「歌との出会い方」のできる余地が自分の中に残されていたことに気づかせてもらえたのは、よろこばしい出来事だったと思う。


Even the Nights are Better

Even the Nights are Better

英語原詞はこちら


I, I was the lonely one
Wondering what went wrong, why love had gone
And left me lonely
I, I was so confused, feeling like I'd just been used
Then you came to me and my loneliness left me

ぼく
ぼくは孤独なやつだった。
何がいけなかったんだろう。
どうして愛はぼくのことを
置いてけぼりにしてしまったんだろう。
ずっと考えていた。
ぼく
ぼくはわけがわからなくなっていた。
自分はもう焼きが回ったんじゃ
ないかって気がしてた。
そこにきみが来てくれたんだ。
そして孤独は
ぼくの中からいなくなった。


I used to think I was tied to a heartache
That was the heartbreak, but now that I've found you

心の痛みに縛られて生きることが自分の
宿命なんじゃないかって思ってた。
それはもう心が張り裂けそうだった。
でもぼくには見つかったんだ。
きみが。


Even the nights are better
Now that we're here together
Even the nights are better
Since I found you, oh
Even the days are brighter
When someone you love's beside you
Even the nights are better
Since I found you

夜だって素敵になる。
ぼくらはこうしてここにいる。
夜だって素敵になってゆく。
きみと出会ってからは。
昼だってもっと明るくなる。
愛する誰かがそばにいたなら。
昼だってもっと明るくなってゆく。
きみと出会ってからは。


You, you knew just what to do
'Cause you had been lonely too
And you showed me how
To ease the pain and
You did more than mend a broken heart
'Cause now you've made a fire start
And I, I can see that you feel the same way

きみ
きみにはどうすればいいかが
わかっていた。
きみもぼくと同じように
孤独な人だったから。
そしてきみは
痛みを和らげるにはどうしたらいいかを
ぼくにわからせてくれたし
傷ついた心を
埋め合わせる以上のことをしてくれた。
いま燃えているこの炎に火をつけて
くれたのはきみだったんだから。
そしてぼくには
きみがぼくと同じように
感じてくれていることが
ぼくにはわかる。


I never dreamed there'd be someone to hold me
Until you told me and now that I've found you

ぼくのことを抱きしめてくれる誰かが
あらわれてくれるなんて
夢見たことさえなかった。
きみがそれを教えてくれるまでは。
そしてぼくには見つかったんだ。
きみが。


Even the nights are better
Now that we're here together
Even the nights are better
Since I found you, oh
Even the days are brighter
When someone you love's beside you
Even the nights are better
Since I found you

夜だって素敵になる。
ぼくらはこうしてここにいる。
夜だって素敵になってゆく。
きみと出会ってからは。
昼だってもっと明るくなる。
愛する誰かがそばにいたなら。
昼だってもっと明るくなってゆく。
きみと出会ってからは。


I never dreamed there'd be someone to hold me
Until you told me and now that I've found you

ぼくのことを抱きしめてくれる誰かが
あらわれてくれるなんて
夢見たことさえなかった。
きみがそれを教えてくれるまでは。
そしてぼくには見つかったんだ。
きみが。


Even the nights are better
Now that we're here together
Even the nights are better
Since I found you, oh
Even the days are brighter
When someone you love's beside you
Even the nights are better
Since I found you, oh
Even the nights are better
Now that we're here together
Even the nights are better
Since I found you, oh

夜だって素敵になる。
ぼくらはこうしてここにいる。
夜だって素敵になってゆく。
きみと出会ってからは。
昼だってもっと明るくなる。
愛する誰かがそばにいたなら。
昼だってもっと明るくなってゆく。
きみと出会ってからは。


=楽曲データ=
Released: 1982.6.
Key: B♭→E♭