華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

God Save The Queen もしくは天皇制に対する憎悪のすべてを込めて (1977. Sex Pistols)



天皇および天皇制は私の敵であり、人間の歴史から差別と戦争が廃絶されることを願って生きているすべての人々にとっての敵である。

近代以降、日本という国家は差別と戦争を「正義」であると公言し、あらゆる悪行をほしいままにしてきたが、そのすべては「天皇の名において」正当化されてきた。天皇制という邪悪な制度が存続しかつ更新され続ける限り、日本という国家は誰はばかることなく「同じこと」を繰り返し続けることだろう。

ムッソリーニは民衆によって吊るされ、ヒトラーは自殺に追い込まれたにもかかわらず、ヒロヒトという人間は自分一人が助かるために自分の判断で沖縄や広島·長崎の無数の人々の命を「犠牲」にし、かつそれを「やむを得ないことだった」と放言しながら、アメリカの軍事力をはじめあらゆる「力」を利用の対象として死ぬまで「同じ身分」にとどまりつづけた。未来における世界史の教科書にかれの名前が20世紀最悪の独裁者として刻まれるであろうことは疑いを得ないが、この日本という地に生まれて20世紀を生きた人間たちがその「邪悪の象徴」に「自分の手で」決着をつけることができなかったことは、我々の世代が未来永劫にわたって背負いつづけなければならない恥辱である。

天皇制という歴然たる身分差別制度に反対の声をあげ、かつそれを行動で示すことは、今の時代にこの日本で生まれた人間が「人類の歴史」に対して果たすべき当然かつ「最低限」の責務であると言えるだろう。その「最低限」のことさえできない人間たちが海の向こうまで出かけて行ってやれ地球の未来を考えていますだのやれ戦争に心を痛めていますだの言ってみたところで、誰からも信用されないに決まっている。私自身はそう信じそのように行動してきたつもりでいるし、また少なくともその「決意」だけでも明らかにすることを抜きにしては、海外の友人たちは、とりわけアジアの友人たちは、決して我々日本人に対して、本当には心を開いてくれないものだということを、痛感させられてもきている。

それにも関わらずこの2019年10月22日、日本で生まれた我々はまたしても、この島の支配階級の人間たちによって、天皇制という血塗られた制度が「更新」されることを「許して」しまった。

屈辱だとしか言いようがない。
他には何も言葉が出てこない。

何が「つつがなく」だ。
私たちにはツツガムシ程度の力さえないということなのか。

ないということなのだ。今の私たちには。

何を言っても言い訳にしかならない。
つくづく、屈辱だという言葉しか出てこない。

自分の言葉は本当にただの「言葉」でしかなく、そこには何の「力」も宿っていないのだということを、今日ほど思い知らされたことはない。

しかしながら私はまだ自分の言葉を手放していないし、それは私が自分から手放すことのない限り誰にも奪えないものなのだということを知ってもいる。

今この日本語世界に何千億の文字が飛び交っていようとも、「権力におもねった言葉」というものはその「権力」と共にいずれは滅び去る運命にある。歴史の検証に堪えうるのは、それに抗い通した言葉だけである。100年後の世界を生きる人たちに読まれて恥ずかしいような文章を、私は書こうとは思わない。

だから、自分の人生でも一二を争う事になるであろう今日みたいな「屈辱の日」にあたって、何事もなかったかのような顔で「音楽の話」だけを続けるような真似は、私にはできない。屈辱を噛みしめることしかできないならせめてそれだけは「ちゃんと」やるべきなのであって、そこからも目を逸らすようなことをしたらその時こそ「負け」になってしまうと思う。

「うたを翻訳すること」を看板に掲げてきたこのブログが、そんな特別な日に取りあげるにふさわしい曲は、今の私にはひとつしか思い浮かばない。セックス·ピストルズの「ゴッド·セイブ·ザ·クイーン」である。

私は、かれらがイギリスの女王エリザベスII世の即位25ケ年のお祭り騒ぎにぶつけてやってのけたこのパフォーマンスを、大して「立派な抵抗」だったとは思わない。まっすぐ正面から権力に対してケンカを売っているわけではなく、茶化して笑い物にしているだけの歌だと思うし、21世紀の我々が生きているのは、権力者の振る舞いを「笑い飛ばして終わり」にできるほど「甘っちょろい時代」ではない。「イマジン」みたいな歌をいつまでも有難がっていても戦争を止めるための具体的な力は何も生まれてこないのと同様、この歌を「叛逆の見本」みたいに祭りあげて模倣したり絶賛したりするのも、今となっては滑稽なことだと思う。

それでも人生には、勝てていなくても最低限「負けていない」という姿勢さえ示せればそれでよしとしなければならない局面というものが存在している。今日みたいなそんな日には、とりあえず「元気の出る歌」だ。

世の中、権力者におもねって生きている人間ばかりではないのである。


God Save The Queen

God Save The Queen

英語原詞はこちら


God save the Queen
The fascist regime,
They made you a moron
A potential H-bomb

神が女王を護られんことを。
ファシスト体制を護られんことを。
やつらはあんたを
ひとりのmoronとして
いつ爆発するかわからないような
水爆として
育てあげたってわけだ。


God save the Queen
She ain't no human being
There is no future
And England's dreaming

神が女王を護られんことを。
ありゃもう人間じゃない。
未来はもうない。
そしてイングランドは夢の中だ。


Don't be told what you want
Don't be told what you need
There's no future
No future
No future for you

自分のほしいものは
他人に指図されて
決めるもんじゃないだろう。
自分に必要なことは
他人に指図されて
決めることじゃないだろう。
未来はないぜ。
あんたには
あんたにはもう未来はないぜ。


God save the Queen
We mean it man
We love our Queen
God saves

神が女王を護られんことを。
心から言ってるんだぜおっさん。
おれたちはおれたちの女王を
愛してるよ。
神は護ってやがる。


God save the Queen
'Cause tourists are money
And our figurehead
Is not what she seems

神が女王を護られんことを。
観光客はドル箱だもんな。
そんでもっておれたちの船首像は
見た目とはだいぶ違ったやつなんだぜ。


Oh God save history
God save your mad parade
Oh Lord God have mercy
All crimes are paid

ああ神が歴史を護られんことを。
そのmadなパレードを護られんことを。
ああ主よ神の慈悲のあらんことを。
すべての犯罪は償われているぜ。


When there's no future
How can there be sin
We're the flowers
In the dustbin
We're the poison
In your human machine
We're the future
Your future

未来がもうないなら
罪なんてどこにあるっていうんだよ。
おれたちはゴミ箱に咲いた花だぜ。
おれたちはおまえが持ってる
機械の体の中にたまった毒だぜ。
未来ってのはおれたちのことだ。
あんたの未来はおれたちなんだぜ。


God save the Queen
We mean it man
We love our Queen
God saves

神が女王を護られんことを。
心から言ってるんだぜおっさん。
おれたちはおれたちの女王を
愛してるよ。
神は護ってやがる。


God save the Queen
We mean it man
There is no future
And England's dreaming

神が女王を護られんことを。
心から言ってるんだぜおっさん。
おれたちはおれたちの女王を
愛してるよ。
神は護ってやがる。
未来なんてもうない。
そしてイングランドは夢の中だ。


No future no future no future for you
No future no future no future for me
No future no future no future for you
No future no future for me

未来はない。
おまえにもう未来はないからな。
未来がない。
おれにはもう未来がないよ。
未来はない。
おまえなんかにもう未来はない。
未来が
おれにはもう未来がない。



「moron」「mad」は「精神病者」に対する差別表現です。ここでは原文をそのまま転載しました。

=翻訳をめぐって=

God Save The Queen」というのはもともとはイングランドおよびイギリス連邦の非公式国歌で、この歌はそのパロディになっている。文字通り「女王を讃える歌」としてのその「God Save The Queen」がどんな歌かといえば、そんな歌まで自分の言葉で翻訳するようなけったくその悪いことを私はしたくないので、ここでは他サイトへのリンクを張らせてもらうにとどめておきたい。
www.world-anthem.com
…「イギリス連邦のアンセム」であると称して「スコットランドの反乱を打ち砕け」などという歌詞の入った歌を当のスコットランドの人たちにまで押しつけてきたのだから、タチの悪いことがまかり通ってきたものだと思う。クイーンというバンドはコンサートのたびにこの「God Save The Queen」を心を込めて演奏することを「お約束」にしていたのだそうで、フレディ·マーキュリーという人のことを私はキライではないのだけど、まあ控えめに言って、ロックの風上にもおけないやつらだとしか言いようのない気がする。

そのフレディ·マーキュリーが歯痛を起こしてドタキャンしたテレビ番組に代打で出演したことから、ピストルズはその人気に火がついた、みたいなエピソードがネットを見渡すといっぱい出てくるのだが、今回はそうした背景的な話には踏み込まない。

というのもピストルズバージョンのこの曲、言っていることは「何となく分かる」気はしていたものの、実際に歌詞を読んでみるとニュースや新聞の英語ではまず目にしないような「ヘンな文法」が至る所に出てきて、正確な内容を把握するのが思っていた以上に難しかったからなのである。「文法が乱れている」ということは英語話者の人たちにとっては「味」であり「個性」として受け止められることなのだろうけど、日本語話者として育った我々には遺憾ながらそれがどういう「味」なのかが分からない。できるのは「想像を巡らすこと」ぐらいなわけで、それに関してはかなり頑張って巡らしてみたのだが、ネイティブの英語話者の人が見た場合、私がとんでもない読み間違いをしている箇所があっても今回はおかしくないと思う。そういうのが見つかった時に指摘してもらえるようにという期待を込めて、以下では各フレーズの文法構造を詳細に分析してみたい。

God save the Queen
The fascist regime,

…この冒頭の「God save the Queen」からして、実は、謎だったのである。これは「スラングだから分からない」というのではなく「古式ゆかしい英語すぎて分からない」パターンだったのだが、なぜ「God」は「三単現」に見えるのに「saves」ではなく「save」が使われているのだろう?

調べてみたらこの「save」の使い方は、文法的には「仮定法」なのだそうである。というのも「神」というのは、みんなが「いる」とは思っていても見たことのある人は基本的にいない。だから「神は女王を守護する」と「確言」することは誰にもできない。人間にできるのは「守ってくれたらいいのにな」と「願望」することぐらいである。それでこの「save」は「仮定法」になるのだけれど、重要なのはそれを命令形(「おい神、女王を守れ」)と取り違えてはならないということで、ここに示されているのは飽くまで「かくあれかし」という「願望」なのだという。それで結果としてはこのブログでも、「神が女王を護られんことを」という「他のサイトと同じような訳し方」を採用することになった。以上はイギリスの英語学習サイトからの受け売りである。やっぱり同じような疑問を感じる学習者が大勢いるのだな。

次に「The fascist regime」。これは冒頭の「God save」がこのフレーズにもかかっていると解釈して「ファシスト体制を護られんことを」と翻訳したのだが、英語話者の耳には「前のフレーズからは独立したフレーズ」として聞こえている節もありうる。その場合は

神が女王を護られんことを。
体制はファシストが牛耳ってやがる。

みたいな意味になる。「どっちが正解」というわけではなく、「どっちにも聞こえる」(と思われる)ということである。ただし、後者の意味で解釈した場合、「女王」を「ファシスト体制の一員」としてではなく「ファシスト体制から守るべき対象」として描き出しているニュアンスが生じてくる。そして後段の歌詞との整合性から考えると、その方が「自然な読み方」であるように思えないでもない。しかしながらジョニーロットンが「そのつもりで」この歌詞を書いたのだとしたら、私にとってはこの歌は「しょーもない歌」である。

They made you a moron
A potential H-bomb

「They」とは前段の「ファシスト体制」のことであろう。そして「you」は「聞き手に向かって」叫んでいるのだろうと私はずっと思っていたのだけど、この文脈からすると「you」は「女王」のことであると解釈する他ない。「they」は「女王のあんた」を「moron」にしたと言っているのである。

「moron」という言葉には説明が必要だが、ナチスの「障害者」虐殺に象徴されるような「精神病者」への差別と迫害がかつてなく強まった19世紀から20世紀にかけての時代、いわゆる「精神医療」がその差別と迫害を「推進」するような方向性で「発展」を遂げた一時期があった。そしてその中で、医者が患者の「知的障害」の度合いに「等級」をつけることが盛んに行われた。それを先頭に立って推進してきたのは、「命の選別」を「正しいこと」だと確信してやまなかったような、現代では札付きの差別主義者として名前を残している「医者」たちである。かれらの「運動」を通して、「精神病者」は法律的にもIQごとに「idiot/imbecile/moron」の「三段階」に「分類」されることになり、これらの用語と基準は「白痴/痴愚/魯鈍」という「日本語」に直訳されて、最近まで日本の法律の中でも使われていた。

批判が高まった現在でもあえてこうした「用語」を使い続けているのは相当に意識的な差別主義者に限られていると言えるが、「意識的でない人間」でも平気で使っていた時代ならそれは「許された」のかといえば全然そんなわけはないのであって、「選別」されて殺される「障害者」の命の重みには、今も昔も「変わり」などあるはずがないのである。それにも関わらず1977年というこの時代にあって、ジョニーロットンは王制/貴族制という選民思想にアンチを張るために「別の選民思想」を振りかざすということをあえてやり、恥じるところがなかったわけだ。この姿勢は徹底的に批判されねばならないものだと思う。そんなことをしていたら例え「権力を打ち倒す」ことができたとしても、彼自身が「新しい権力」を生み出すことしか起こりえないのだから。

その上で文法的なことに話を戻すなら、ファシストの体制が女王のことを「moron」にし、かつ「potential H-bomb」にした、ということがここでは歌われている。「potential H-bomb」とは直訳するなら「潜在的水素爆弾」であり、それがどういうことを言っているのかということについては、海外サイトでも様々な解釈が展開されていた。「女王を守るためと称して戦争が起こされる→女王こそ戦争の元凶→女王は水爆と同じ殺人兵器」という解釈と、「女王の存在が民衆の怒りに火をつける→女王は階級闘争の起爆剤→水爆と同じ」という解釈の二種類が大きく見て存在しているようだが、どちらにしても話は通っている。莫大な費用をかけて創造され維持され、最終的には人を殺す以外に何の役にも立たない無用の長物=王制/貴族制であり、天皇制というわけなのである。

God save the Queen
She ain't no human being

日本の天皇制になぞらえて考えるなら、あの一族が「万世一系の神」を自称してきたことを皮肉って「あいつ、人間じゃないんだってよ」と揶揄している歌詞だと思えば合点が行くが、キリスト教の国では神は飽くまで一人(人?)しか存在しないわけで、例え国王でも「神」を自称するようなことは宗教的に許されないし、また女王のことを「神」であると思っているような人はどこにもいない。そのことの上での「あいつは人間じゃない」なので、日本人の感覚とはニュアンスが違ってくる。

考えられる解釈としては、女王というのが文字通り血も涙もない人間の皮をかぶったケダモノみたいなやつだと批判しているか、あるいはファシスト体制の操り人形と化して人格も人間性も喪失した状態になっていることを揶揄しているか、その二つだと思うが、そこはまあ、どちらでもいいと思う。後者の方が「女王の立場に同情的」であることにはなるだろうが、同情したって仕方がないのである。

There is no future
And England's dreaming

サイトによっては二行目の歌詞が「In England's dreaming」と記載されている。その場合は「夢に溺れているイングランドという国に未来はもうない」みたいな意味になるのだろうが、文法的にはちょっと無理のある言い方になる。

Don't be told what you want
Don't be told what you need

ここが、すごく独特な言い方で、ピストルズらしく感じられるのだが、直訳すると「自分の欲しいものを教えられるな/自分に必要なものを教えられるな」となる。つまるところ「自分で決めろ」と歌っているわけである。「you」が「聞き手に対する呼びかけ」なのか「女王に対する呼びかけ」なのかは、この部分に関してはどちらでも解釈可能な内容になっていると思う。

We love our Queen
God saves

「女王を愛してる」というのはもちろん「皮肉で言ってる」のだろうが、こういうのあんまり好きじゃないな。私は。心にもないことを言うなよと思うし、その心にもないことを言うことで「逃げ道」を確保している感じがいただけない。

冒頭の「God save」には「s」がついていなかったのだから、ここが「saves」になっていることには明らかに意味がある。ここでは「神が女王を守っている」ということが「願望」や「推測」ではなく「客観的事実」として述べられているのである。

どういうことかと言うと、女王などという誰がどう見ても「いること自体がおかしな存在」が、廃止されることも打倒されることもなく存続し続けている。これはもう「神が守っているから」としか考えようがない。みたいな意味なのだと思う。

「ならば神とも戦うまで」なのだが。

God save the Queen
'Cause tourists are money

イギリスの保守派の女王擁護論に「女王陛下がいるおかげで我が国にはどれだけの観光収入があることか」というのが昔からあるらしいのだが、実際には「王室のための予算」というのはバッキンガム宮殿の入場料などではとても賄いきれないものであるらしい。結局税金なのである。

And our figurehead
Is not what she seems

「figurehead」とは昔の船のへさきについていた「船首像」のこと。女王の存在は「イギリスという船」の行手を守り導くものとしてこの「フィギュアヘッド」に喩えられているのだという。

それが「見た目と違う」というのは、外見は優しそうな顔をしてるけど内面は人間の心のカケラもないやつだとか、あるいは見た目は頼もしそうだけど実際は何の頼りにもならないとか、ここも「好き勝手に聞けばいいところ」なのだと思う。


Oh Lord God have mercy
All crimes are paid

「All crimes are paid (すべての罪は償われている)」という部分に関しても、「恩赦」というふざけた制度のことを言っているという解釈と(つまるところ、人間を「裁く」のは法律ではなく我々支配階級の胸先三寸なのだ、というデモンストレーションである)、「支配階級の繰り返してきた悪行がその報いを受ける時がやってきた」という解釈との、二通りが存在しているようである。

We're the flowers
In the dustbin
We're the poison
In your human machine
We're the future
Your future

すごく、美しい歌詞だと思う。「human machine」は「人間機械」と訳すのだそうで、「女王の身体」さらには「イギリスの国体」みたいなものまでが、象徴的に表現されたフレーズなのだと思われる。


アナーキー 東京イズバーニング


タイマーズ カプリオーレ


東京少年 針とパズル

日本において「天皇制へのアンチ」を正面から打ち出した勇気ある楽曲は、名前が挙げられるものとしては上段の「東京イズバーニング」、中段の「カプリオーレ」、それに岡林信康の「クソクラエ節」ぐらいしか私は知らないが、一番下に貼り付けた東京少年の「針とパズル」という曲も、直接それらしい言葉は何も出てこないものの、実は前世紀の天皇が死んだ時に日本中で「服喪」が強制されたことへの抗議を込めて作られた曲だったのではないかということに、オトナになって何年もしてから、気づかされたような気がしている。当時の私は小学生だったけど、あの時の異様な雰囲気は、今でも記憶に焼き付いている。

こんな日はぼくらでそっと歌い出そうよ
かまわずに朝までずっと歌ってようよ

そんな風に「人間としての自然な欲求」をそのまま口にすることが、どんな政治的なスローガンにもまして鋭く体制を批判する「抗議」としての意味を持ち得る局面が、歴史の中では時折訪れる。

「聞く耳」さえ持っていれば、今この時代の中にもそうした「声」にはいくらでも出会うことができるはずだし、そのひとつひとつを「自分自身が自分自身として生きる力」に変えてゆくことも、できるはずである。

「自粛」しないでいきていこうではありませんか。と私は皆さんに呼びかけたいと思います。
私は死んでも「自粛」しませんから。

ではまたいずれ。


=楽曲データ=
Released: 1977.5.27.
Key: A