華氏65度の冬

うたを翻訳するということ

The Last Resort もしくはアメリカ (1976. The Eagles)


The Last Resort

The Last Resort

英語原詞はこちら


She came from Providence,
the one in Rhode Island
Where the old world shadows hang
heavy in the air
She packed her hopes and dreams
like a refugee
Just as her father came across the sea

彼女はプロヴィデンスからやって来た。
「神の御業」という名前を持つその街は
ロードアイランド州にあって
古い世界の影が
空気に重たく垂れこめているような
そんなところだ。
彼女はまるで亡命者みたいに
夢と希望をカバンに詰め込んで
旅立った。
遠い昔に海を渡ってきた
そのお父さんと同じように。


She heard about a place people were smilin'
They spoke about the red man's way,
how they loved the land
And they came from everywhere
to the Great Divide
Seeking a place to stand
or a place to hide

人びとがいつも微笑んでいる
そんな場所のことを
彼女はいつか聞いたことがあった。
赤い肌を持つ人びとの生き方や
その人たちがどんなにその土地を
愛していたかについて。
大分水嶺をめざし
彼女と同じような人間たちが
至る所からやってきた。
ある者は自分の居場所を求めて。
またある者は
隠れるための場所を求めて。


Down in the crowded bars,
out for a good time,
Can't wait to tell you all,
what it's like up there
And they called it paradise
I don't know why
Somebody laid the mountains low
while the town got high

素敵な時間を求めて
立ち寄ったバーの中に
ごった返す人びとは
そこがどんなに素晴らしい場所かを
人に伝えたくてたまらない。
そこにいたみんなは
その場所をパラダイスと呼んでいた。
どうしてなのか
ぼくには分からない。
街がどんどん高いところに行くのは
誰かが山を削って
平らにしてしまっているからだろう。


Then the chilly winds blew down
Across the desert
through the canyons of the coast,
to the Malibu
Where the pretty people play,
hungry for power
to light their neon way
give them things to do

やがて冷たい風が
吹き降ろしはじめた。
砂漠を横切り
西海岸の峡谷を抜けて
マリブの街へ。
自分たちに好きなことをやらせてくれる
ネオンの街に灯りをともすための
力を求めて血眼になりながら
遊んでいる
困った人たちの上に。


Some rich men came and raped the land,
Nobody caught 'em
Put up a bunch of ugly boxes,
and Jesus people bought 'em
'nd they called it paradise
The place to be
They watched the hazy sun, sinking in the sea

あらわれたリッチな人びとに
レイプされた大地。
下手人が捕まることはない。
不細工な箱型の建物が
まとめて売りに出され
信心深いクリスチャンたちが
競ってそれを買い求めた。
かれらはそこをパラダイスと呼んだ。
パラダイスになるべきところだと。
かれらの目に映っていたのは
海へと沈んでゆく
霞んだ夕陽の残像だった。


You can leave it all behind and sail to Lahaina
just like the missionaries did, so many years ago
They even brought a neon sign: "Jesus is coming"
Brought the white man's burden down
Brought the white man's reign

すべてを放り出して
ハワイのラハイナに
船出するのもいいだろう。
遠い昔に
宣教師たちがそうしたように。
「イエスがやってくる」と書かれた
ネオンサインまで
今では出回ってる。
世界を統治する
白人の使命というやつが持ち込まれ
白人による支配が
もたらされてしまった。


Who will provide the grand design?
What is yours and what is mine?
'Cause there is no more new frontier
We have got to make it here
We satisfy our endless needs and
justify our bloody deeds,
in the name of destiny
and in the name of God

全体をどうすればいいかを
誰が考えてくれるって言うんだろう。
何から何までがあなたのもので
何から何までが
ぼくのものだって言うんだろう。
「ニュー·フロンティア」なんて
今ではもうないんだから
ぼくらは自分の立っている場所を
「ニュー·フロンティア」にするしかないじゃないか。
終わりのない欲望を
ぼくらは満たし続けるしかない。
けれども運命や神の名のもとになされた
われわれの血塗られたおこないは
ただされなければならない。


And you can see them there,
On Sunday morning
They stand up and sing about
what it's like up there
They call it paradise
I don't know why
You call someplace paradise,
kiss it goodbye

日曜日の朝にはいつでも
そこがどんなに素晴らしい場所かを
立ち上がって歌いあげている
人間たちの姿を目にすることができる。
かれらはそこをパラダイスと呼ぶけど
ぼくにはなぜだかわからない。
どうしてパラダイスなんて言葉を
使いたがるんだろう。
せいぜいその場所に
キスしてやるといい。
ではまたいずれ。
さようなら。

「彼女」が生まれたロードアイランド州プロヴィデンスの街


「彼女」がめざした「最後のリゾート」のモデルになっているコロラド州アスペン。別名「億万長者が百万長者を駆逐した街」。ロッキー山脈の美しさを讃えたジョン·デンバーの歌のほとんどはこの街で作られたらしいが、そんな風に聞くと何だかすごく、興醒めである。


「リッチなリゾート」の象徴として歌詞に登場するカリフォルニア州マリブの夜景。映画「猿の惑星」のロケ地でもあるとのこと。


マウイ島のラハイナの街に本当に実在している「Jesus coming soon」のネオンサイン。


カリフォルニアの「hazy sunset」


Learn to be still (Eagles)



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